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Jiro's Eye

2014年上期ヒット商品番付からマーケティングを考える

先日、日経MJが行う2014年度上期(1月~6月)ヒット商品番付が発表されました。
本年上期に選出された東の横綱は「格安スマホ」、西の横綱は「アナと雪の女王」でした。
「格安スマホ」は携帯大手の利用料の半額以下の2,980円という魅力的な価格で、増税後の4月以降、販売予定台数の8,000台を完売しました。
消費税8%への消費者の抵抗がヒットの要因の一つになったのかも知れませんが、主要な要因は違うところにあるものと分析しています。


西の横綱の「アナと雪の女王」が大ヒットした背景には、SNSからの拘束感、疲労感から一時的にも逃げたいという女性の本音にあの唄が響いたのではないかという心理学的な分析をしている評論もあります。
そう言えば、ヒット曲となった「Let it Go」は「ありのままで」と翻訳されていますが、本来は「ほっといてよ」という意味のはずですから、SNSの日常から本当に解放されたい女性の気持ちを反映しています。


両横綱になったヒット商品に共通要因があるとしたら、それは一体何なのでしょうか。
「格安」は低価格という物理的な要因であり、「Let it Go」は心の癒しという心理的な作用ですので、相互に共通するものは無さそうに思えますが、実は、どちらのヒットの背景にも「本来の正しい姿」というキーワードが発見出来ます。
現状はそうかも知れないが、「本来の姿に戻りたい」という本音がヒットを後押ししたのではないかと分析をしました。


既存の携帯大手会社がシーズン毎に繰り広げる価格割引戦争を経験する内に、消費者は"本来、通信費は安い"のではないかという不信感が積もり積もって、「格安スマホ」でも十分に使用出来る機能を持っているという確信を持ったのでしょう。
通信事業の仕組みの本来の姿に気が付いた消費者が多く誕生した訳です。


一方、帰属意識や仲間を求める欲求に応えてくれたSNSであったが、友人との交信のやりとりにいつも集中せざるを得ない「拘束感」を感じるようになっている現状にあります。
SNSを止めた時の孤独感への不安から止められない現実に疲れ果ててしまった時に出会ったのが「Let it Go」なのです。
"本来、心持良い距離感を保ち、相手への気遣いを持ったコミュニケーション"のあるべき姿に気づいた先にあったのが、一時的な逃避所「アナと雪の女王」の映画館だったのでしょう。
要するに、ヒット商品が生まれる背景には、必ず消費者の感じ方の変化、或いは、考え方の見直しが起き、その結果、新しいニーズが生まれて、新しい消費を作り出す仕組みになっています。
しかしながら、皆様もご存じのように、ヒット商品はそう簡単に生み出せる訳ではありません。
売り手側は、この消費者のニーズが顕在化する前に、未だモヤモヤとした「ニーズ」を探り出して、というより、想像して、想定して、仮説を立てて、具体的な商品やサービスを消費者の前に提示提案しなければなりません。
「センミツ」千に三つ当たれば御の字と言われている程、ヒット商品誕生は難しいものですが、決して「勘」と「偶然」に頼ったものばかりではありません。
現在はビッグデータのように、消費者の購買行動が記録されていますので、そのデータ分析から、消費行動を予測して、新しいニーズの仮説を立てるという科学的な手順を踏み、新商品・サービスを発表して、ニーズに合っていればヒット商品となり、合っていなければ、分析の修正を行い、仮説を組み立て直して、再度、新しい提案をするのがマーケティングの醍醐味であり、ストレスとなるところかも知れません。


上半期のヒット商品番付を分析して、下半期の傾向トレンドの仮説を立てながら次のヒットを夢見て商品開発に取組んでいる売り手側の2014年度の勝者は誰でしょう。



Speakersではマーケティングやトレンドにまつわる講師を多数取り揃えております。
是非下記をご参照ください。

◆牛窪恵

◆西川りゅうじん

◆うえたさより

◆氏家秀太

◆高倉豊

◆島田始

◆鈴木栄治

◆山本由樹

「価格」と「値段」について考える

本年4月1日から消費税が3%上がり8%となります。EU各国の消費税率と比較すると、

一桁台の日本の税率には最終地点まで、まだまだ上げる余地が充分あると、財務省の役人たちは次の悪知恵を練っているかも知れません。

 

消費税が上がる事は、必ずしも商品の価格が上がる事にはなりません。商品には商品の価格があって、税はその価格を基準に設定されているわけです。ところが、いざ商品を買う時に実際に支払う金額が、買う側にとっては商品価格と認識せざるを得ません。5,000円のブラウスが5,250円から5,400円になれば、商品価格が値上がりした思いたくなるるわけですから、購買に二の足を踏む要因にもなり兼ねません。

消費税率の上昇を機会に、商品の価格と値段についてその違いを考えてみました。

 

はっきりと分りませんが、昭和時代には一般の消費者は価格という言葉にはあまり馴染みもなかったと思います。“この値段はいくら?”“値はなんぼ?”と、モノには値段という言われ方が一般的でした。要するに、値段とはモノの価値を自分の目で見極めて、支払う金額とのバランスを消費者自身が納得していたのでしょう。自分が支払うお金に見合ったモノの価値を消費者が決めていたわけです。「値踏み」という言い方があるように、見積もってモノの値段の見当を付けてから、値段の交渉に入ったのです。

 

一方、価格とは、所謂、経済を語ることが大衆化されてから普及した単語かも知れません。

どことなくインテリジェンスの香りがする事も平成時代の方々には心持良い響きがあったのでしょう。また、価格には、モノの価値に平均利潤を加えた生産者価格、需給バランスに応じて上下する市場価格、さらに、私達が実際に貨幣を支払って購入する消費者価格などインテリらしく多様な顔があります。その点、買うか買わないか、払うか払わないか、生々しい商売のやり取りでは、値段の方がピッタリ来る感じがしませんか。

値段には売り手と買い手の間の心意気と責任のようなものを感じ取ることが出来ます。

買い手には、モノを見極める「目利き」力が求められ、売り手側には、生産者も含めて技術力、市場に出すタイミングを計る力などが求められます。まさに、「マーケティング」が日常的に行われていたわけです。

 

価格文化で育っている現代の消費者は、モノの価値を見極める作業をネットに頼ったり、他人の評価を優先したりする傾向があり、価格の妥当性を自ら判断しなくなっているような気がします。

私たち消費者が本体価格や税込価格という経済用語に囚われることなく、“これいくら?”という値段文化を積極的に取り入れて、もう一度、“目利き”力を身に付けた消費者が増える事を心から望んでいます。自分の感性と経験知を活かして、商品の生産背景から、素材、肌触り、香りなどを五感で楽しめるモノとの出会いを取り返す機会に、消費税率アップのタイミングを利用するのも良いのではないでしょうか。


Speakersでは、「消費増税」や「今後の経済展望」について講演する講師の特集ページを展開しております。

消費増税について講演する講師をご紹介いたします。

■田原総一朗

■辛坊次郎

■森永卓郎

■財部誠一

■池田健三郎

■長谷川幸洋

■八木洋子

■板倉京

下記の特集ページもご参考ください。

◆消費増税 特集
◆今後の経済展望 特集
 

2020TOKYOとシニアマーケットについて考える

 

本年9月8日、日本の裏側のアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されたIOC総会にて

「第32回夏季オリンピック」の開催地にTOKYOが選出されました。

著者自身はマスコミの過剰気味な祝賀ムードには素直に乗れませんでしたが、それなりに嬉しく感じている多くの国民の一人であります。

 

今から56年前、青春時代に開催された「第18回夏季オリンピック」には、色々な思い出と数々の感動が記憶されていますが、オリンピックのそれぞれのゲームを楽しむ以上に、東京の街の上を車が走る高速道路に驚き、総天然色のカラーテレビに歓声を上げ、街にあふれる外国人のファッションに興味を持った事などが、印象に残っています。

 

1964年の東京オリンピック開催によって、東京のインフラが、日本の経済が、そして人々のライフスタイルが変貌して行ったのを肌で感じていました。敗戦後から僅か20年間で、世界の仲間入りを果たした日本の工業技術の進歩を軸に、経済力、労働力を発揮して「新しい元気な日本」を世界に発信したのが前回の東京オリンピックだったのでしょう。

 

さて、幸いにも一生の内に東京で2度のオリンピックを体験出来る「団塊の世代」について注目したいと思います。

昭和20年生れを頭に、昭和23年生れをピークとして、昭和25年生まれまでが、いわゆる、第一次ベビーブームの「団塊の世代」。その圧倒的な人口数を持ってして、日本経済の中心として消費活動を牽引してきたのは、既成の事実です。

 

団塊の世代は10歳を超えた頃に(1956年)「建国以来の異例な好景気」(神武景気)の下で育ち、「フラフープ」「ダッコちゃん」という空前のヒット商品で遊び、家には3C(カー・カラーテレビ・クーラー)が揃い始め、レジャーブームを謳歌して成人を迎えました。

物心ついた年(1965年)に、団塊の男性たちは石津健介氏が創設した「VAN」から発信される「アイビースタイル」で男の着こなしに目覚め、一方、女性達もマリー・クワント、ツイッギーの来日(1970年)で「ミニスカート」の洗礼を受けて、昭和初期育ちの女性達とは全く違ったファッション感性を注入されました。

 

時代が、常に、その膨大なマーケットを意識して、この団塊の世代に対して豊富な商品を供給し、新しいライフスタイルを提案し続けて、近年の少子化高齢化の「シニアマーケット」に至っている訳です。

 

今回の「2020 TOKYO」は「シニアマーケット」に強いインパクトを与えたと思います。

もう一度、「夏季オリンピック」を東京で応援するという機会は、団塊の世代並びにそのフォロワー世代に今後7年間の消費活動を喚起するものであるに違いないでしょう。

 

しかしながら、7年間という具体的な期間が提示された下では、今までのような曖昧なシニアマーケットビジネスでは決して団塊の世代を満足されることは出来ません。彼らが求めるものは、今までのマーケットになかった新しい価値の提案を求めてくるでしょう。

 

最近の新聞の調査によれば、1400兆円の個人資産を生んだ要因の一つである「退職金を使わずに貯蓄する」という70歳以上の高齢者に比較して、団塊の世代は、退職金の約70%を投資に運用して、残りのお金を旅行や趣味への消費に回している。すなわち、金を運用して、金を使う、「新しい大人の登場」という変化が起きていると言っています。

 

一体、何がこれからのシニアマーケットで団塊の世代を鼓舞させるのでしょうか。

前述しました団塊の世代の生き様の歴史と、2020年東京オリンピック、パラリンピックに求められる開催の意義、使命の中にヒントが隠されているのではないでしょうか。

 

1964年の東京オリンピックから1991年バブル崩壊までの20数年間は、自分たちは気が付かなかった潜在的なニーズを、常に市場が先取りして、同時代的な商品や文化として提案する為に、そのニーズが分かり易く顕在化され、「あっ、そうか」と合点して積極的な消費行動に出るという繰り返しの歴史だったと思います。

 

一方、2020年東京開催では、一体、何を日本は世界に発信するのでしょうか。

今さら、先進技術だ、大規模開発だというハードな分野ではなく、日本が誇れる伝統的な文化、おもてなしも含まれる謙譲の心という空気感を明確に表現し、伝え、そして、喜んでもらう事が今回の東京開催で求められる使命でしょう。

 

すなわち、団塊の世代マーケットも東京オリンピックのどちらも、人の心を感動させる姿勢からスタートするマーケティングを実現させなければならないのではないでしょうか。

 

2020年に新しい日本の心の姿を作り上げて、次世代にバトンタッチするというのが、団塊の世代がハッピーリタイアメントする最高のシナリオではないかと思っています。

ちょっと感情が入り込んでしまったマーケティングのお話でした。

 

 

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