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"子育て不安社会"を象徴する北海道の男児置き去り事件【講演依頼・講師派遣のSpeakers】

 5月28日から北海道で行方不明になっていた小学校2年生の男児を巡る騒動は、7日目の6月3日になって発見され、無事解決となった。


 <概要>
北海道七飯町の山林で2016年5月28日、両親が「しつけ」として小学2年の男児を置き去りにした事件。置き去りにされてから7日後の6月3日朝に、北海道鹿部町の自衛隊駒ヶ岳演習場内で男児が6日ぶりに見つかり、保護されたと報じた。北海道警や消防、自衛隊などが山中を捜索していたが、男児はずっと演習場内にいたという。


 しかし取材する立場からすると、男児の行方不明事件にしてはあまりにも大げさな騒動だったといえる。この事件についてはテレビ局のワイドショースタッフによれば、視聴者の関心は高かったようで日に日に報道は過熱していく劇場型のニュースとなった。

 その要因は明らかで、子供を叱った親の対応は果たしてしつけなのか虐待なのかという点が、小さな子供を持つ親の興味を持たせたからだった。実際に取材先で会う人たちとの挨拶がわりの世間話でもやたらと、行方不明事件について、喧々諤々の議論が繰り広げられたほどだった。

 過熱した報道の中でユニークだったのは、6月5日に放送されたフジテレビ系「Mr.サンデー」だった。番組では、今回の事件について、児童と同年代の子供たちに話を聞いていた。その大多数は、親に対する厳しい意見がほとんど。小学3年生の児童は開口一番「ひどい」。さらには「もう追いかけない」と自分がその状況に立たされたら諦めの境地になることを漏らした。
一方、親子で取材を受けた母娘の場合は正反対。母親が「(児童を置いていった父親を)ちょっと行きすぎかなと思いました」とコメントすると、娘が反論。「前にディズニーランドで同じこと言ってたじゃん」と思わぬ反撃に母親の方がたじたじになる一幕もあった。
確かに子供の頃にこっぴどく叱られた時の記憶はいつまでも覚えているもの。ましてや先の親子のやり取りのように、子供側が理不尽に思っていると、しつけのつもりの叱責が、親に対する不信感になることもあるので気をつけなければならない。

 ただ今回の発見された児童が病院から退院した時の天真爛漫な笑顔とマスコミのカメラに手を振る光景は、親子の関係に何のわだかまりもないように見えたのが救いだった。

 だがこの過熱報道が終息するとふとした疑問が湧いてきた。「どうして子供の失踪騒動がここまで大きく扱われるほどの関心を集めたのか?」

 すぐに編集部の子持ちのスタッフや行方不明になった児童と同年代の子供を持つ知人に話を聞いた。すると異口同音に、
「しつけの話はまわりに相談しにくい」
 ということだった。しつけについては百家争鳴様々な教育法などが出てくるものの、どれが正しいのかわからず、不安だという。情報化社会の現代ではネットに拡散される情報は不安になりこそすれ、確信を持つには至らない。そんな親の深刻な悩みがニュースへの興味にも現れていたようなのだ。

 ではそんな現代人の家族はどのように子供のしつけ方を学べばいいのか。
 多くの人へのヒヤリングでわかったのは、一番はママ友などとのおしゃべりを参考にするケースだった。そしてそれに続いて、自分の両親のしつけを思い出して、時には参考にしたり、時には反面教師にしたりと、自分たちなりに模索しているという実態がわかってきた。

 かく言う私も、この齢になって初めて子供を授かったのだが、出産や育児を巡る情報のあまりの多さに戸惑いを隠せない。ましてや子供の一生を左右するしつけについては、自分の行動が子供の人生を左右すると思えば、ついつい深刻に考えてしまうのだ。

 しかし私自身は、金持ちのお坊ちゃんから外国人の子弟まで多様な子供たちが同じクラスで学ぶ下町の学校で育ったせいか、子供はしつけだけで人生の成否が決まるわけではないコトが肌身に染み付いている。偏差値25にすら満たなかった同級生は立派な自衛官になっているし、理不尽ないじめにあった子も学校はドロップアウトしたが、今では居酒屋を営む一国一城の主だ。
 かつて解剖学者の養老孟司氏は子供について「大自然と同じで親が制することはできない」というような趣旨の発言をしていたが、同感だ。親が子供を思うように育てることができるという考え自体が傲慢ともいえる。だが、今回の事件のように子供が周囲に対して迷惑をかけるような行為をしたときにどうしたらいいのか。

 脳の研究では「我慢することで報酬が与えられることを学習すること」で脳が発達し、徐々に我慢することを覚える。つまり社会に対して協調できるようになるという。

 結局、親ができるしつけの余地は、子供にいかに「アメとムチ」を使い分けて社会性を育むかということに他ならない。

 そして、親の背中を見て子供は育つことを理解すれば、しつけに対する迷いも随分と薄れるに違いない。それでも迷った時には、自分の親の世代や先人の声に耳を傾けてもいいだろう。まさに「子育て不安社会」を象徴するような事件だったのかもしれない。



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同世代女性の支持を!"美の殿堂"オスカーの戦略的マーケティング 20代コンテスト新設【講演依頼・講師派遣のSpeakers】

 先日、オスカープロモーションが「ミス美しい20代コンテスト」を新設することを発表し、記者説明会を都内ホテルにて開催した。オスカーといえばモデルはもとより上戸彩、米倉涼子ら美人女優を多数輩出、芸能界において"美の殿堂"といわれる名門事務所だ。80年代後半から継続している「全日本国民的美少女コンテスト」が有名だが、同コンテストは10代女性が中心。それに対し「ミス美しい20代コンテスト」では、20代女性を対象に、"ダイヤの原石"ではなく、すでに輝いている"ダイヤそのもの"を探す。その背景には、「同世代の女性に支持される女優の発掘」という、オスカーの緻密なマーケティング戦略がのぞく。

 説明会には、オスカー20代女優を代表して武井咲、剛力彩芽、河北麻友子が登壇したが、大人っぽいファッションといい、落ち着いたトークといい、3人がかもし出す20代ならではの色香で、集まったマスコミはすっかり魅了されてしまった。

 芸能界では、20代女優が圧倒的に元気だ。オリコンが昨年末に発表した「2015年ブレイク女優ランキング」を見ると、1位にフラーム所属の有村架純(14年に続き連覇)、2位にソニーミュージックアーティスツ所属の土屋太鳳、3位にフォスタープラス所属の広瀬すず、4位にORANKU所属の吉田羊、5位にヒラタオフィス所属の松岡茉優、6位にホリエージェンシー所属の波瑠、7位にホリプロ所属の石原さとみ、8位にレプロエンターテインメント所属の清水富美加、9位にトライストーン・エンタテイメント所属の木村文乃、10位にホリプロ所属の高畑充希。なんと3位の広瀬、4位の吉田をのぞきベスト10中8人が20代なのである。しかも、オスカープロモーション所属の女優はランクインしていない。

 特に、全国区にブレークする登竜門的なドラマであるNHK連続テレビ小説のヒロインとして活躍した記憶がまだ新しい「まれ」の土屋、「あさが来た」の波瑠、「とと姉ちゃん」(放送中)の高畑といった朝ドラ勢のランクインは目立つ。石原もかつてヒロインを務めたし、清水、松岡も朝ドラ出演経験者だ。

 個人差はあるが、どちらかといえばアイドル的な人気が色濃い10代より、大人になって実力が伴ってくる20代のほうが、同世代女性の共感や支持を得やすい。ところが20代から30代と成長して行くにしたがって、上戸彩のように結婚してしまうケースも出てくる。それはそれで結婚後も、独身女性にはない魅力や、ママタレ的活動などもできるようになってはくるが、昨今、ママタレは激戦区。20代の独身女性という層に厚みを持たせることで、若いOL向けのCMなどが獲得できたり、様々な可能性が広がってくる。

 また、女性の支持のみならず、近年、10代中心のグループアイドルが芸能界に多数台頭している状況に、「ティーンエイジャーでは子どもっぽくて萌えない」という大人の男性層の支持も狙えるだろう。
 
 結婚し30代、40代に突入した米倉、上戸の下で、20代の女優層を強化する。そこには、名門と呼ばれるオスカープロモーションならではの高度なマーケティング戦略があると見た。



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過去の震災と、2016年熊本地震・・・今までと違う点とは?【講演依頼・講師派遣のSpeakers】

 依然として余震が続いている熊本地震。私自身も過去には阪神大震災や中越地震に現地を取材したほか、東日本大震災でも担当デスクとして長期間、震災報道の最前線に立ってきた。ただ、今回の熊本地震に関しては、驚くべき点がいくつかあった。

 まず避難所ではなく「車中泊」で避難生活を送る被災者がかなりいたということ。中越地震や東日本大震災では北国が中心だったことや、たまたま2つとも雪がまだ残るような季節だったため、避難所で暖を取る必要があった。ところが今回の熊本地震では日中と夜の寒暖の差があるとはいえ、春を迎えた4月の地震。車中泊で凍死するようなこともなく、食料やプライバシーの確保されたスペースを求め被災者の行動範囲も広がったといった経緯もある。こうした〝拡散する被災者〟というのは過去の震災ではあまり例がない事態らしく、被害の全容を把握すべき自治体も被災実態の解明に困難を極めたという。

 さらには余震の長期化で、車中泊によるエコノミー症候群など、これまでの震災では出現しなかった新たな健康被害に見舞われる被災者が現れたことも想定外だった。これまで被災者の健康被害については、避難地域を担当する自治体の職員や医療従事者などが、避難場所を巡回。被災者が自宅にとどまる場合は、自治体や保健所の職員などが定期的に健康状態を確認するといった定点観測的な被災活動で、患者の早期発見と治療をする体制を築き上げてきた。

 ところが、車中泊による「移動生活」をする被災者が増えることによって、患者の早期発見・治療は困難になった。いわば被災者からすれば「自分の健康は自分で守る」というスタンスをより求められるようになったのだ。今回の地震でエコノミー症候群に見舞われた患者も、おそらくは長時間寝返りも打てない体勢が生命の危険になる可能性があることを誰も教えてくれなかったに違いない。

ましてや西日本は大規模な地震がそれほど多い地域ではなかっただけに、被災者にとっては青天の霹靂だったはずだ。

しかし、「備えあれば憂いなし」は大地震にこそ相応しい格言。阪神大震災以降、大規模地震における避難対策はかなり知見が積み上げられていると思うが、私自身も取材などを通じて得た実践的な知識をお伝えしよう。

まず備えから。避難生活でまず必要になるのは、「水」である。しかも飲料水ではなく、まとまった量の生活用水だ。大地震の取材で毎回、痛感するのがトイレの問題。衣食住の中で生命に直接影響を及ぼさないトイレの衛生状態は、いつも後回しにされるが、その現場は汚物にまみれて悲惨のひと言。しかも、男性はもとより女性にとっては衛生問題だけでなく、プライバシーの問題もあり避難生活の質を大きく左右するのは言うまでもない。そうしたケースを想定して自宅の浴槽には常に水を張っておくのが避難生活を快適に過ごす上では欠かせない準備といえる。水は毎日代えなくても沸かし直しの水でも構わない。ライフラインの中でも最も復旧が最優先される水道だけに、お風呂の水が残っていれば1週間ほど家族のトイレを流すことができるだけでなく、タオルを水に濡らせば、少量の水でも体を拭くこともできる。

とかく、避難生活では家族のために確保すべき飲料水や食事などの備蓄に目が行きがちだが、現実的にはよほどの田舎に生活しているのでなければ、自治体の指定する避難所に食糧や飲料水が備蓄されているほか、自衛隊の出動などで水もある程度確保はできるはずだ。ただ、被災直後には保存のきく菓子パンなどの食糧が多くなるので、心配な向きには、レトルトカレーや缶詰などの塩気のある食品を保存しておいてもいいだろう。

 また常に地震に備えた家具の倒壊シミュレーションもしておいてほしい。自分がいつも寝ている部屋で大規模な地震が起きたら、家具はどう動くのか。リビングではどうか? お風呂場ではどう脱出するか‥‥。様々なシチュエーションで揺れを感じたらいかに家の外に出るか、脱出コースを把握することが大事なのは経験上わかってきている。かつては「机の下に隠れて‥‥」と言われたが、それは過去の話。家屋が倒壊した場合は生き埋めになりかねない。熊本地震でも亡くなった方の多くは家屋の下敷きになったケースがほとんどだっただけに、むしろいかに速やかに家の外に出るかは、命にかかわる問題だ。

 5月15日現在、熊本及び大分県ではいまだに余震が続き被害にあわれた方や生活している人々にとっては、引き続き不安な日々が続いていることだろう。一日も早い地震の沈静化を祈念すると共に、とかく健康については日々の緊張感のある生活のために、自分自身の『体の異変』に気づきにくいという傾向がある。無理をせず、「おかしいな」と思ったら、体裁を気にせずに医療機関や自治体に相談することが肝心だ。



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