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元警察官が語る“不審者訓練”の本当の目的とは

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制圧ありきの不審者訓練の危険性

――「本当の不審者」は、訓練では再現できない

 

 

 

 

 

 

 

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――「本当の不審者」は、訓練では再現できない

 

学校や公共施設で行われる不審者対応訓練は、社会にとって必要な取り組みである。

危機を想定し、職員同士が顔を合わせ、導線や連絡体制を確認する。

不審者役を立てた不審者訓練が無駄だとは、私は思っていない。

 

しかし、防犯コーチであり、元警察官として現場を見てきた人間として、

どうしても看過できない現実がある。

 

それは、多くの不審者訓練が「制圧できたかどうか」を成果としてしまっているという点だ。

その瞬間から、訓練は現実と乖離し始める。

 

 

「安全が保証された制圧」は、防犯力の証明にならない

 

不審者訓練における不審者は、あくまで「役」である。

訓練中の事故を防ぐため、最大限の安全配慮がなされる。

 

 

凶器はおもちゃ。

絶対に本気で抵抗しない。

全力で暴れることもない。

 

これは当然であり、正しい判断だ。

 

だが、その完全に安全が保証された相手に対して、

安心して制圧に入れたからといって、

それが現実の防犯力を証明するわけではない。

 

安全な距離。

想定された動き。

奪われない護身具(さすまた)

 

その条件下での制圧成功は、

現実対応の訓練というより、

**「やれた気になる体験」**に近い。

 

厳しい言い方をすれば、それは防犯力ではなく、

その場の緊張やストレスを発散しているだけの場合すらある。

 

 

コラム写真1

 

 

 

元警察官として言う。「本当の不審者」は再現できない

ここではっきり言っておきたい。
本当の不審者を、訓練で再現することはできない。

 

どれだけシナリオを練っても、
どれだけ迫真の演技をしても、現実の不審者とは決定的に違う。

 

現実の不審者は、役ではない。
打ち合わせもない。安全配慮など、最初から存在しない。

 

目的を達成するため、邪魔をする相手を本気で排除しようとする。
そのために、本物の凶器を持つ。

 

「切られたら痛い」

「刺されたら死ぬかもしれない」

 

そういう現実の道具を、何のためらいもなく使う。

 

実際の現場では距離は想定より近く、相手の動きは速く、判断は一瞬遅れる。
心拍数は跳ね上がり、手は震え、視野は一気に狭くなる。

 

その中で、安全が保証された訓練と同じ動きができると考えるのは、現実を見ているとは言えない。
同じ動きは、できない。それを前提にしなければ、防犯は成り立たない。

 

 

 

真の不審者対応訓練とは、「起こさない力」を育てること

制圧ありきの訓練が最も危険なのは、現場の判断力を奪ってしまうことだ。
「どう制圧するか」に意識が向くと、本来優先されるべき選択肢が見えなくなる。

 

逃げる。

距離を取る。

閉じる。

時間を稼ぐ。

守るべき人を最優先で守る。

 

防犯とは、勝つことではない。
生き延びることであり、日常を壊さないことだ。

 

不審者役を立てた訓練の本当の価値は、制圧を再現することではない。

 

・違和感に気づけたか

・近づかない判断ができたか

・情報共有は機能したか

・危険を未然に遠ざけられたか

 

そして、最も重要なのはこの一点である。
そもそも、不審者訓練のような状況にならないよう、日々、防犯を意識した行動を取らねばならない。

 

この「気づき」こそが、真の「不審者対応訓練」の成果なのだ。

 

 

 

おわりに

不審者訓練は、無駄ではない。

だが、万能でもない。

 

安全が完全に保証された成功体験を、

現実にそのまま持ち込むことはできない。

 

だからこそ、制圧という「結果」ではなく、判断という「過程」を鍛えなければならない。

防犯とは、強さを誇示することではない。
日常を守り続けるための、冷静な知恵である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田代智聖(たしろともきよ)
田代智聖(たしろともきよ)
元警察官

宮崎県出身 48歳 元埼玉県警察官。27年勤務の後、非常勤講師として埼玉県警に在職、これまでに「現場で培った知識」をフルに活かした幅広い防犯の方法を、わかりやすく「面白く」伝えている。

 

 

 

 

不審者対応や防犯訓練について、より実践的な備えを検討されている学校・自治体・施設のご担当者様には、田代智聖氏の講演がオススメです。
現場経験に基づき、「制圧」ではなく「被害を起こさない防犯」の視点を具体的にお伝えします。講演のご相談・ご依頼お待ちしております。

 

 

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