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総合病院などで糖尿病を専門領域とした臨床経験を積み、総合病院や女性クリニック、企業カウンセリングを通して、1万8000人以上の栄養相談を実施し てきた、管理栄養士の浅野まみこさん。その経験から、人が習慣を変えるプロセスに着目した「行動変容」をベースとする独自の栄養カウンセリングプ ログラムを確立しました。病院での勤務経験から「病気になってつらい食事制限をする前の予防」の重要性を痛感。現在は「コンビニ・外食活用術」を はじめ、企業向けの健康経営や安全大会、受験食、PMS対策など、現代人のライフスタイルに寄り添った実践的なアドバイスを行っています。
今回は、 講演依頼のSpeakersがオススメする講師、浅野まみこさん に「主食・おかず・野菜を1:1:1にするだけ」といった無理のない食事法や、情報過多な時代に おける栄養士の役割についてお話を伺い、毎日の食事がもっと楽しくなるヒントをお届けします。
(text:小山内麗香、photo:遠藤貴也)
浅野まみこ 小学生の頃から食品成分表を見て、栄養素やカロリーを計算して目的に合った献立を考えるのが 好きでした。一生働ける職を考えたとき食や健康は一生涯のものだと考えて、大学は栄養学科へ進み、卒業と同時に国家試験を受け、管理栄養士の免許を取得しました。
浅野まみこ 私は元々、病院の管理栄養士をして働いていました。病院では、「治療」目的とした栄養指導を行うため、どうしてもカロリー、糖質、脂質、タンパク質、塩分と「厳しい食事制限」をすることになります。病気になってしまうと、定期的な通院や食事に制限がでるだけでなく、日常生活への意識も必要になります。ですから、「病気になってから」ではなく「病気になる前に」、普段の食事ついて少しだけ意識するタイミングを大切にしてほしいんです。
ただ、逆もあります。「健康」のために、「あれもこれも食べてはいけない」と逆に一生懸命好きではない食事をがんばってしまうケースです。健康を意識するのは良いのですが、SNSなどの情報を鵜呑みにして「白米は食べてはいけない」「コンビニ飯はNG」と食事の幅を狭めてしまうのはもったいないです。手作りだけがよいとは限らず、コンビニでも外食でも食事を整えることは可能です。人生において「健康は目的じゃない」ということ。「健康」は、好きなものを食べ、好きなことをでき、自由に好きな場所に行くことのできる人生の「手段」です。食事は美味しく、楽しく、かつ健康でいられるよい塩梅を目指していきましょう。
浅野まみこ 確かに、コンビニには誘惑の多いものがたくさんありますが、選び方によっては、手軽にバランスのよい食事を摂ることができます。とくに最近では栄養バランスを意識した商品もどんどんと増えていっており、選び方の視点を変えれば、日常で不足しがちなタンパク質、食物繊維の多い野菜や海藻、きのこ類なども、コンビニではすぐに食べられるかたちで、手ごろな価格で購入することができます。
もちろん「おにぎり+カップラーメン」「深夜のからあげ」のように好き勝手に食べていては、元も子ないのですが、料理は苦手な方もそうでない方も、忙しいとき、疲れて帰る帰り道、無理に自炊にこだわるよりも、実はコンビニで揃えた方 が、栄養バランスがを整えることができます。
自炊、コンビニ、外食にこだわらず、そのときの状況にあわせて、無理ない食事をすることが、日々続けられるポイントですね。
浅野まみこ 私がお会いするのは、料理が得意、自炊をする時間がある方ばかりではありません。どんな状況でも、どんな方でも 栄養バランスを整えることができることを伝えるために、あえて身近なコンビニを使っても「健康的な食べ方」ができるんだよということをを実践したかったんです。今は年齢に関係なく、ランチや夕食のメインをコンビニで揃えるのが当たり前の時代ですよね。特に70代、80代と年齢を重ねて、以前ほど料理をしなくなったり食事量が減ったりした方にとっても、手軽に一品足せるコンビニのお惣菜は、実はすごく頼りになる存在なんです。そのときに「手抜きをしてる」「体に悪いことをしてるんじゃないか」など罪悪感を持つ必要はなく、むしろ賢く食べ物を選ぶ力「食選力」をもつことで健康になれる選び方をお伝えしています。
例えば、カップやきそばも健康的な食べ方があります。麺を抜いて、入れ物の底に生のカットキャベツを敷いて、麺を戻します。あとは作り方通りにすると、キャベツ焼きそばが出来上がります。しっかりと湯切りをすれば水っぽくもなりません。これだけで 食物繊維をしっかり摂れる1品になるんですよ。
浅野まみこ そうですね。一番簡単なことは、買ったお弁当や丼、パスタなんでも、冷凍野菜を乗せて、レンチンしてみてください。これだけでも手軽野菜が取れます。辛ラーメンのような辛い系のラーメンは、水の代わりにトマトジュースで作っても美味しくなるし、リコピンもカリウムもとれます。めんどくさがり屋さんは、カップラーメンは水で戻す方法を。例えば、夏はわかめラーメンに水を加えたら、20分ほどで、いい感じになります。ここに氷を入れて、納豆やシソ、みょうがを入れるだけで彩りもよく、栄養バランスも整います。コンビニは、そのまま食べるのも美味しいのですが、ほんのちょっとの工夫がおすすめです。
浅野まみこ 例えば、糖尿病の診断を受けた際、医学的には減量や、糖質の意識、菜食中心の献立などさまざまな意識が必要となります。けれども、だれもが速やかに今までの習慣を変えて、理想的な行動ができるわけではありません。野菜嫌いな人も、全くやる気が起こらない方、忙しくて手が回らない方もいます。食の嗜好性は多様であり、変化に対する心理的ハードルが高い方や、動機付けが困難な状況にある方も少なくありません。そこで、対象者の心理的な準備状態を的確に捉え、自発的な変化を促すための「行動変容アルゴリズム」を体系化しました。
この「行動変容モデル」とは、人間が習慣を再構築するプロセスを5つのフェーズで定義する理論です。自身の課題に未だ無自覚な「無関心期」、変化の必要性を認識しながらも踏み切れない「関心期」、具体的な計画を模索する「準備期」、実際の変容に着手した「実行期」、そしてその行動を6か月以上定着させている「維持期」という段階を辿ります。このステージごとに栄養士側から的確にアプローチを行うことで、全くやる気のなかった方でも無理なく、より理想的な行動に変えてステージを移していくことができていきます。
「〜してください」「〜しなくてはだめです」のような強制する方法は私自身も好きではないんですよ。無理のない、合理的で持続可能な変容をサポートしたいと考えています。
浅野まみこ 「エビータ」の「エ(è)」は、イタリア語で「〜と」という意味で、「ビータ(vita)」は「生活」や「生きる」という意味です。あなたの生活と共に生きる、というような思いを込めて名付けました。病院勤務の時には病気を改善するための栄養相談(3次予防)でしたが、私はもっと手前の健康なとき(1次予防)に、栄養士と出会う機会を増やし、社会全体の栄養知識の底上げをし、誰もが「食をより楽しく、美味しく、健康に」なるサービスをしたくて独立しました。
浅野まみこ 「健康経営」への意識は、ここ数年で劇的に深まったと実感しています。食と健康のコンサルティング会社「エビータ」を立ち上げた当初は、食生活が仕事の効率に直結するという認識はまだ薄いものでした。
しかし、今では従業員の健康を意識する企業も増えてきました。会社全体の価値向上、全体の士気が上がる、コミュニケーション能力が上がることが知られてきました。企業ごとに、健康に対する問題点や解決方法は異なります。例えば、早番や遅番といった不規則なシフトがある会社さんには「太らない時間差の食べ方」、残業が多い会社さんには「夜遅い時間の夕食の選び方」を、また女性が多い職場では「PMS(月経前症候群)対策」など、企業ごとに課題を抽出し提案を行なっています。
食や健康の知識をアップデートすることは、単に体を整えるだけでなく、ビジネスにおけるコミュニケーション能力を底上げす強力な武器になります。「健康は目的ではなく、人生をより良く生きるための手段」。その意識を会社全体で共有することで、仕事の効率も人間関係も、よりポジティブに整っていくと確信しています。
浅野まみこ さまざまな要因がからみますので、単純な数値化は難しい部分がありますが、従業員の方々のパフォーマンスだけでなく、実は「営業力」が目に見えて向上します。誰かと話す時は、気候や体調の話題は欠かせないですよね。そこにプラスして、「こんなことが流行っていて」「こんな方法がいいみたいですよ」など、食から健康知識をプラスすることで話に入れると相手との信頼感を得られやすく、また距離を縮めやすくなります。食事は誰もが毎日行う共通の話題ですから。これを弊社では「健康営業力」(弊社造語)と呼んでおり、この力を高める講座も大変ご好評をいただいています。
浅野まみこ 健康意識が高い方にありがちなのは、「健康によい」と聞いたものばかり食べ続けたり、「健康によいから」と自分に合わないものを選んでしまうことです。例えば、大豆製品がよいと聞いて、納 豆、豆乳、豆腐ばかり選んでしまうと、逆に動物性タンパク質が不足したり微量栄養素を摂りすぎたりしますし、胃の弱い方が玄米ばかり食べていると、消化不良を助長し、逆効果になったりといろいろなパターンがありますね。食事はPFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物) も含めて、いい塩梅でバランスよく食べていただきたいです。
浅野まみこ そんなことはないんですよ。むしろ「しなければならない」と突き詰めると、食事を楽しめずに 栄養も体に入っていかない気がしますよね。一生懸命栄養価計算もしなくても、簡単にバランスを摂る方法があるので、ご安心ください。
私が提唱している簡単な食事法は、「3つ揃えるだけ」です。ご飯やパン、麺類などの「主食」。肉とか魚、大豆製品などの「おかず」。そして「野菜」。この3つを「1:1:1」の割合で意識するだけで栄養バランスは整っていきます。野菜が苦手な方でも、一つくらい食べられ る野菜の種類があるはずです。まずは、食べられる野菜から食べればそれでいいんすよ。
浅野まみこ もう1歩何かやりたい場合は、赤、緑、黄色と選ぶ野菜をカラフルにしてください。カラフルな野菜は、抗酸化ビタミンであるβカロテン、ビタミンE、Cポリフェノールが豊富な「緑⻩色野菜」が主なんです。体内で増えすぎた活性酸素を除去して、細胞の酸化や糖化を防ぐ効果がありますし、ミネラルも豊富です。あとは、不足しがちなタンパク質をちょっと意識すること。タンパク質を意識すると、合わせてビタミンB群と亜鉛や鉄なども充足できるので、バランスが整います。日々、意識するかしないかだけで、体は大きくかわりますよ。
浅野まみこ 「健康は目的ではなく、人生を謳歌するための手段」ですから、「しなくてはならない」と考える必要はありません。基本さえ押さえれば大雑把でも良いのです。ただ、食事を単なる「栄養補給の作業」にしてしまうのは、管理栄養士として非常にもったいないと感じます。「サプリメントで補えばいい」と割り切ったり、スマホを見ながら袋のまま食べたりする習慣はできるだけ避けてもらいたいなと思います。
浅野まみこ 食卓を豊かにすると、実は生活も丁寧になるんですよね。さらに、食べる動作、噛む回数で消化能力が変わります。よく噛んで唾液と混ぜ合わせることで胃腸への負担が軽減され、必要な栄養が適切に吸収されます。それに、適当に食べることで、摂取量が認識できず思いのほか、食べる量が増えたりすることがあります。興味深い知見として、海外の「スープ実験」や「皿の大きさ実験」などの報告があります。ふだんより器が大きくなり容量が増えても、量を把握できず意図せず過剰に摂取してしまうのです。ホテルのバイキングで小ぶりなお皿が採用されているのも、実はこの心理を応用した、満足感を保ちながら量をコントロールするための知恵なんですよ。
浅野まみこ 安全大会は現場において、事故を減らすための体調管理、仕事パフォーマンスのあげ方を食生活の面から情報をお伝えします。夏には、熱中症や夏バテ対策についての話しもしますし、血糖値も仕事パフォーマンスに大きく影響します。食事を抜くことでも、睡眠不足でもパフォー マンスが落ちます。食生活からでも予防することが可能です。
浅野まみこ 受験食の目的は、脳を常に最高のコンディションに保ち、受験生の集中力を最大限に引き出すことにあります。主に親御さん向けの講演でお話ししていますが、受験期の大きな課題は「勉強前の食事による眠気」や「夜食による睡眠の質の低下」といった、生活リズムと食のミスマッチです。こうした時間帯ごとの課題を解決し、一日を通して勉強に最適な状態を維持するための「戦略的な食べ方」をお伝えしています。
浅野まみこ 一番のポイントは、血糖値を安定させ、気分のムラや集中力の途切れを整えること、次に栄養バランスがあります。例えば、朝食を栄養バランスを考えしっかりと摂取することで、一日を通しての安定感を生み出すことができます。夜遅い時間の食事についても、単に空腹を満たすだけでなく、消化がよく、体を温めるものその後の深い眠りを妨げないような、満足度と休息の質を両立させる選び方を提案しています。
浅野まみこ もちろんです。生理前のイライラなどの不調は、かつては精神的なものと片付けられがちでしたが、実は栄養状態が深く関わっていることが分かっています。不足しがちな鉄分などのミネラルをはじめ適切に補うことで、毎月のリズムをより穏やかなものへと変えていくことが可能です。ただ、食事だけで完璧を目指そうとすると負担が大きくなってしまいますので、サプリメントなども賢く活用し、無理なく、そして楽しみながら「心地よい状態」を維持していくことを大切にしています。
浅野まみこ 鉄や亜鉛はPMS改善にむけた1例ですが、例えば、鉄分は1日、女性の推奨量は11mgです。11mgを食品で換算すると、ほうれん草6束分、豚のレバーなら1枚ほどです。 なかなかの量なのです。ですので、食事をより意識することやサプリメントなどを上手に活用する方法もあります。日々のなかでいかに続けやすいかを具体的に提案することを、栄養相談でも講演でも意識しています。
浅野まみこ そうですね。病院で栄養士をしていた20代の頃、まだ経験が少なかったときですので、情報を正しく、厳密に伝えていました。特に透析の食事管理は複雑であり、厳しい制限もあります。そんな栄養相談のときに、ご家族から「父がかわいそうです」と泣かせてしまったことがあります。その時に、自分のカウンセリングの実力不足がくやしくて、どう伝えるのが正解なのか、それからカウンセリング手法をかなり勉強しました。医療上の制限が必要な場面でも、「正しい情報」をただ伝えるのではなく、どうすれば「より楽に、前向きに継続的に取り組めるか」という伝え方の工夫こそが、専門家としての重要だと考えています。
浅野まみこ 一定の疾患になれば、必要な栄養素、食事制限はかならず必要になるのですが、大切なことは、対象者の方に寄り添った伝え方だと思っています。いかに実行しやすいように言語化するのか、その行動を実行することでどんなメリットがあるのか、どんな変化を感じられるのか、そして、一番実践しやすい方法は何があるのか、人それぞれ感じ方や考え方も違います。その方の「行動変容ステージ」と人生の背景、思考、多くのことを意識しながら、カウンセリングをすすめていくことを大切にしています。
浅野まみこ SNSが発達して、みなさんで情報を集めやすくなりました。単なる食品のカロリーや栄養素は、 栄養士に聞かなくてもわかる時代ですよね。だからこそ、私たち管理栄養士の仕事は、単なる知識の提供に留まらず、その情報を日々の生活にどう「応用」し、いかに「実行しやすく効果のでる方法」をその方の状況にあわせてカスタマイズし提案することだと考えています。
浅野まみこ そうですね。食事を難しく考えず、まずは楽しむ。その次に、ちょっと健康を意識する。完璧である必要はなく、一生自分が自分の人生を楽しめる「健康状態」を保つためのいい塩梅です。毎食ストイックに管理する必要はありません。大切なのは、基本のルールを楽しみながら継続すること。なにかやってみようかなと思っている方は、私が提唱している『主食・おかず・野菜を1:1:1』という大枠のバランスだけ意識してみてください。食事は1日3食、年間で1095回もありますので、、1日1回でも意識すれば、1年後には必ず身体の良い変化を実感できるはずです。食生活が楽しいと人生は100倍楽しいです。
そんな楽しくなるような健康的な食生活の戦略をみなさんと共有できればといつも考えています。

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