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イラクが教えてくれた、気づきと挑戦への道
常に自分との戦いだったイラク派遣
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私の社会人としての原点は、約12年間勤務した陸上自衛隊です。
その中でも特に印象深い経験が、イラク復興支援群として派遣されたことでした。
派遣前には家族へ遺書を書きました、無事に帰国できる保証はありません。
現地では緊張感の続く毎日を送り、命の危険と隣り合わせの環境で任務にあたりました。
自衛隊では、規律を守り、命令を正確に遂行することが何よりも重要です。
一人の判断ミスが仲間の命に関わることもあります、だからこそ、自分に甘えることは許されません、私が戦っていた相手は自分自身でした。
恐怖、不安、焦り。その感情をコントロールしながら任務を遂行する日々でした。
この経験から、「困難な状況でも自分を律し、最後までやり抜く力」を身につけることができました。
しかし当時の私は、この経験があれば、どんな仕事でも通用すると本気で思っていました。
その考えは、民間企業へ入ってすぐに覆されます。

人は命令だけでは動かない
自衛隊を退職した私は、最大手コンビニエンスストアのFC店舗を経営しました。
約12年間、多くのアルバイトスタッフと共に店舗を運営しましたが、この時代が人生で最も苦しい時だったと言っても過言ではありません。
自衛隊では当たり前だった指導方法が、民間では全く通用しなかったのです。
「なぜマニュアルどおりにできないのか」「なぜ言われたことしかしないのか」と、私は正しいことを伝えているつもりでした。
ところが、スタッフは辞めていきます。人手不足になり、自分一人で店舗を回す日も少なくありませんでした。
経営者としての責任と孤独に押しつぶされそうになり、何度も心が折れかけました。
そこで初めて気づいたのです、人は「正論」では動かない。
どれだけ正しいことでも、一方的に押し付けられれば、人は心を閉ざしてしまいます。
そんな時、たまたまコーチングを学ぶ機会があり、組織を動かすのは命令ではなく、信頼関係なんだと気づくことができました。
「相手の話を最後まで聴く」「問いかける」「認める」「応援する」など、関わり方を変えることから始めました。
すると、少しずつ職場の雰囲気が変わっていきました。
スタッフ同士が自然と助け合い、自ら考え、自ら行動する場面が増えていったのです。
私はこの経験を通して、組織づくりで最も重要なのは、制度でも仕組みでもなく、「人との関わり方」であることを学びました。
40代からの挑戦が教えてくれたこと
コンビニエンスストアのFC店舗経営に区切りをつけた私は、新たな挑戦として建設業界へ飛び込みました、40代での未経験転職です。
年齢を考えれば、不安がなかったと言えば嘘になります。
「今さら新しい仕事を覚えられるのか。」「経験のない自分に務まるのか。」そんな気持ちを抱えながらのスタートでした。
しかし、私は過去の経験に頼るのではなく、「学び直す」と決めました。
仕事を終えた後や休日は資格取得の勉強に励み、一級土木施工管理技士、一級建設機械施工技士を取得しました。
その後、建設資材メーカーへ転職した際には、コンクリート技士の資格も取得し、専門知識を身につけながら法人営業に取り組みました。
決して順調だったわけではありません。
何度も失敗し、思うような結果が出ず、自信を失いかけたこともあります。
それでも、「昨日の自分より少しでも成長しよう」という気持ちだけは持ち続けました。
その積み重ねが少しずつ成果につながり、新規顧客の開拓や営業所の売上増加にも貢献できるようになりました。
振り返ると、大事なことは「できない」ではなく、「どうすればできるか」を考え続ける姿勢だと実感しました。

逆境を成長に変える3つの習慣
これまでの経験を通して、私はレジリエンスを高めるために大切だと感じていることがあります。
① 出来事の捉え方を変える
困難に直面したとき、「失敗した」と考えるか、「学ぶ機会を得た」と考えるかで、その後の行動は大きく変わります。
私自身、未経験の仕事や環境に挑戦するたびに、「これは自分を成長させる経験だ」と意識するようにしてきました。
リーダーが前向きな姿勢を示すことで、組織全体にも挑戦する空気が生まれます。
② 小さくても行動する
人は、考え続けているだけでは不安が大きくなります。
一方で、小さな一歩でも行動を始めると、状況は少しずつ動き始めます。
完璧を求めるよりも、「まずやってみよう」という姿勢が、成長への第一歩になります。
組織でも同じです、失敗を責めるより挑戦を応援する文化が人を大きく成長させます。
③ 目的を見失わない
思いどおりにいかない時ほど、「何のためにやるのか」という目的を振り返ることが大切です。
目先の失敗や壁に意識が向きすぎると、本来進むべき方向を見失ってしまいます。
目的が明確であれば、多少の困難があっても前へ進み続けることができます。
これは個人だけでなく、組織にも共通することだと感じています。

おわりに
私は、自衛隊、コンビニエンスストア店舗経営、建設業、法人営業という異なる世界を経験してきました。
その中で強く実感したことがあります。
人は、「環境が変わるから成長するのではなく、自ら学び、考え、行動し続けることで成長する」ということ。
そして、組織も同じだと考えます。
制度や仕組みだけで、人は変わりません。
一人ひとりが安心して挑戦できる環境があり、お互いを理解し、支え合える関係があってこそ、人も組織も成長していきます。
私はこれまでの経験を通して、「人を変える」のではなく、「人との関わり方が変わることで組織は変わる」ことを学びました。
変化の激しい時代だからこそ、過去の成功体験にとらわれず、挑戦を続ける姿勢が求められています。
逆境は決して避けるものではありません。
その経験をどう受け止め、次の一歩につなげるかによって、人も組織も未来は大きく変わると信じています。

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元陸上自衛官として、極限の規律と統率力が求められるイラク派遣部隊での任務を経験。帰国後、民間ビジネスの最前線であるコンビニエンスストアの経営(マネジメント)へ転身。その後、建設業界の最前線へ進出し、建設会社で施工管理(現場監督)として多数の現場を指揮。その後、建設関連メーカーでの法人営業を経験。営業マンとして数多くの建設会社の組織体制や経営課題を客観的に見つめる目を養う。
本コラムで紹介した内容は、経営者や管理職の方はもちろん、変化の激しい環境で新しい一歩を踏み出したいと感じている方にもヒントになるテーマです。逆境を乗り越えるために必要な力とは何か。人と組織が主体的に動き出すために欠かせない関わり方とは何か。講演では、自衛隊でのイラク派遣、コンビニ経営、建設業、法人営業と、全く異なる環境で培った実体験をもとに、逆境を成長に変えるための考え方について分かりやすくお話しいたします。経営者・管理職向け研修や、部下育成・組織開発をテーマにした講演、若手・新入社員向け研修などにご活用いただける内容です。ご依頼・ご相談はSpeakers.jpまでお気軽にお問い合わせください。
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