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スイスで気づいた「多様性社会」に必要なこと

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スイスの日常から考える、ダイバーシティへの三つのヒント

 

 

 

 

 

 

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スイスという国から何を連想しますか?アルプス、時計、チョコレート、銀行。スイスは美しい景観や特徴のある産業で知られています。

 

しかし、それ以上にスイスを特徴づけるのは、実はダイバーシティかもしれません。企業経営でも「人は財産」と言いますが、スイスの日常的な豊かさにも居住者の多様性が大きく寄与しています。

 

具体的に数字で見てみましょう。スイスの人口の27%は外国人。最大の都市であるチューリッヒだと34%が外国人です。また「スイス人」とされる人たちの中にも、移民の背景をもつ人が約4割います。スイスが1980年代以降、スリランカや旧ユーゴスラビアからの難民を受け入れてきた歴史も反映されています。スイス全体の人口は900万人と東京都の1400万人より少ないですが、その内訳は実に多様です。

 

それでは、実際にチューリッヒの街に暮らす体感はどうでしょうか。そもそもスイスはドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つを公用語にしていますが、電車に乗るとその他にも様々な言語が聞こえてきます。またクリスマスマーケットに行っても、冬の伝統的なチーズ料理のラクレットだけでなく、たこ焼き、インドカレー、チュロス、アフリカ料理など世界中の美味しいものが食べられます。また企業勤務をしていた時期は、旅行先の国に縁のある人がほぼ確実に社内で見つかり、現地の人ならではのアドバイスをもらっていました。

 

「多様な社会」という現実の中で呼吸していて、改めて大切だと思うことが三つあります。それは、他者への深い思いやり、自己表現力、自分自身への敬意です。

 

 

 

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他者への深い思いやり

異なる背景を持つ人々が共存する社会を築く土台は、相手に対する深い思いやりです。文化的背景や価値観が異なる人と接する場合、表面的な意見だけでなく、無意識に前提としている価値観や常識が異なることへの理解と配慮が欠かせません。

 

友人や同僚が「日本人はNoをはっきり言えないと聞いているが、あなたははっきり言ってくれていますか」と確認してくれたり、騒音の苦情を言った隣人に「スイスでは許容範囲内だと思うが、日本人が静けさを重んじることに配慮して、さらに音量を落とします」と言われたりした経験が、たくさんあります。基準が異なる者同士が話し合っていることを前提に、相手が本当に居心地が良くなるように配慮してもらえたことが、とてもありがたかったです。

 

異文化交流や共生で課題になるのは、自分にとっての「当たり前」が相手にとっての「当たり前」ではないことです。異なる前提に基づいてコミュニケーションを続けていくと、知らないうちにどんどんと齟齬が生じてしまいます。そのために、「なんとなく」の憶測に基づいて話を進めず、はっきりと明示的に相手の前提を確認することが大切になる場面があります。

 

そんな場面での最大の武器は、好奇心ではないでしょうか。相手に対して純粋な好奇心を持つことで、開かれるコミュニケーションの扉や、得られる信頼感があると感じています。

 

 

 

自己表現力

常識が異なる相手との対話において、自分の考えだけでなく、その前提となっている価値観やあり方を説明できることが、相互理解に繋がります。説明の前段階として、自分自身や文化に対する理解の深度が大きくものを言います。

 

たとえば、日本人は美味しさを表現するために蕎麦や抹茶を啜りますが、多くの外国人にとっては不快感を催す行為です。しかし彼我の違いを理解していて、「美味しさを表現する意図がある」「日本文化は芭蕉の俳句やオノマトペを含め、音による表現を西洋文化より重視する傾向がある」などと説明できれば、相手にとって「失礼」が「学びと交流」に変わります。

 

自分にとっての「当たり前」が何かを理解し、表現することは、当たり前であるだけに難しいです。しかし逆に、だからこそ面白いとも言えるでしょう。私もスイスに来てから、日本や日本人としての自分についてより深く考えるようになり、目から鱗が落ちるような自己発見がたくさんありました。

 

 

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敬意はまず自分から

ダイバーシティの根幹は他者への敬意です。同時に、コーチとして様々な方の自己変革のお供をしていて思うことは、究極的には自分に対してもつ敬意以上の敬意を他人に払うことはできないということです。

その理由の一つは、自分に対して引け目を感じているとコンプレックスなどとして相手にそれを投影してしまう可能性があるからです。人間関係の相談に来られる方も、自分自身との関係性をより肯定的なものに変えることで、家族や同僚といった他者との人間関係がより円滑で充実したものになる場合がほとんどです。自分という最も身近な存在をありのままに受け止めることが、他者を受け止め尊敬することの土台となります。

 

スイス人は、自分の国が大好きです。8月1日はスイスの建国記念日ですが、国民が一番大切にしている祝祭日です。家族とバーベキューや打ち上げ花火をして、盛大にお祝いします。自分の国や文化が本当に大切だからこそ、「あなたにとっても、あなたの国や文化は大切なんだよね」というスタンスで、異文化を尊重しているようにも感じています。

 

自分自身や日本の文化・伝統にもっと興味をもって、もっと好きになれる部分を探すこと。
そんな身近なところに、ダイバーシティを実現するきっかけが転がっているかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーシュ彩(ごーしゅあや)
ゴーシュ彩(ごーしゅあや)
NLPマスターコーチ

2020年より世界10カ国以上のクライアントを支援する国際的なコーチ。パンデミックという社会の転換期に、「自分自身のあり方」を見つめ直した経験を機に、対人支援のプロフェッショナルとしての道を切り拓く。本場の米国カリフォルニア州で習得したNLP(神経言語プログラミング)コーチングの専門知見と、自身の多様な実体験を元に、自己変革やダイバーシティなど多岐にわたるテーマで講演を提供している。

 

 

 

 

多様な文化や価値観が共存するスイスでの暮らし。その日常の中で見えてきたのは、「違い」を乗り越えるためのコミュニケーションのあり方でした。講演では、異文化理解やダイバーシティをテーマに、他者への思いやりや自己表現力、自分自身への敬意について、実体験を交えながら分かりやすくお話しいたします。企業研修や教育機関、多文化共生の場など幅広いテーマで講師をお探しの方は、Speakers.jpまでお気軽にご相談ください。

 

 

 

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