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須田慎一郎 講演会講師インタビュー

大学卒業後、金融業界を取材した記者経験をもとに、30代前半から今に至るまで、フリーランスのジャーナリストとして第一線で取材し続ける須田慎一郎さん(61)。現在、「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続けながら、読売テレビ「そこまで言って委員会NP」、関西テレビ「報道ランナー」、静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」などのテレビ番組ではコメンテーターとして、ニッポン放送「須田慎一郎 南野陽子の 誰にもわかる“経済学”」ではラジオパーソナリティとして、他多くのメディアでも活躍中。講演依頼のSpeakers.jpでも人気講師として積極的に講演会を行っています。居島一平氏・井上和彦氏とともに立ち上げたYouTubeチャンネル「闇鍋ジャーナル(仮)」では、社会を騒がせている熱いトピックスをピックアップして、議論を闘わせています。政界、官界、財界の豊富な人脈を持ち、スクープを連発する自称“取材するYouTuber”の須田慎一郎さんにお話を伺いました。

(text:高田晶子、photo:遠藤貴也)

徹底した現場主義 修羅場も乗り越え、現在も第一線で活躍

――須田さんは大学を卒業した後、金融専門誌の業界で記者人生をスタートさせたのですよね。

須田慎一郎 最初に勤めた会社では、銀行・証券会社・生命保険会社など金融業界全体を網羅した専門誌で取材をしていました。1980年代でバブルの頃はずっと大阪にいましたね。ただ、一般誌と違って業界批判ができない事情もあり、5年ほどで経済雑誌「経済界」に移籍しました。当時、雑誌社や新聞社の記者たちは、正社員でも他の媒体でアルバイト原稿を書くことが許されている時代。私も経済誌の仕事をしながら、いろいろな媒体で原稿を書き、自分の名前を売って、2年後にはフリーランスになりました。

 

 ――須田さんといえば、若くしてテレビ朝日「サンデープロジェクト」に出演していた印象がありますが、「サンデープロジェクト」出演の経緯は?

須田慎一郎 さまざまな取材をしているなかで人脈ができ、声を掛けられて、外部スタッフとして働くことになりました。「サンデープロジェクト」は毎週日曜の朝10時~11時40分までの生放送番組で、前半は田原総一朗さんがスタジオに政治家や専門家を呼んで討論、後半が特集コーナーで、外で取材してきたものをVTRで流してスタジオで解説するという構成になっていました。私は後半の特集コーナーを担当していて、当初はフリーランスの取材記者兼レポーターだったのですが、あるときスタジオ解説の専門家が休んでしまったのです。そこで、現場で取材をしていた私がスタジオで解説もすることになりました。その評判が良くて、それ以降も取材とスタジオ解説もすることになったのです。

 

――そうしてテレビ出演することになったのですね。当時、相当忙しかったのでは?

須田慎一郎 いつも同時並行で3本くらいの取材案件を抱えていたので、かなり忙しかったですね。当時のテレビ局は潤沢にお金を使えたので、長期の取材など、今ではできないような丁寧な仕事ができていました。テーマは事件ものが多かったですね。今ではコンプライアンスが厳しくなって到底できませんが、当時は疑惑がある企業や人物にアポも入れず「この問題はどうなっているのですか?」と直撃取材をしていましたね。余裕ができたら、週刊誌や月刊誌の記事を書くことを続けて、今に至っているというわけです。

 

――徹底的に現場主義の取材記者人生ですね。これまでの印象的だった強烈な体験はありますか?

須田慎一郎 いちばん衝撃的だったのが、1997年に新神戸のホテルのティーラウンジで五代目山口組若頭の宅見勝氏が射殺された事件ですね。兵庫県警も記者仲間の間でも犯行は五代目山口組中野会の組員によるものだという話になっていました。そこで、私は取材活動をして、なんとか中野会の若頭を直接取材できることになったのです。ただ、内部抗争状態にあり、取材当日もかなり厳重な警戒体制の中、組事務所に入り、取材も無事終えることができました。しかし、なぜか取材したことが漏れて、私にもテレビ局にもガンガン脅迫の電話がかかってきました。「これはさすがに危ないから放送はやめよう」とお蔵入りになってしまいましたが、命の危険を感じる強烈な体験でした。

 

――それは怖いですね…。当時はマスメディアが強い時代でしたし、取材も強気だったのでしょうね。

須田慎一郎 そうです。僕も若かったし、かなりイケイケでしたね。印象的な案件をもうひとつ挙げると、商工ローン問題があります。中小企業にお金を貸し出す貸金業者、いわゆる「街金」の金利があまりに高いということで、私は「週刊ポスト」で批判連載をすることになりました。すると、あるとき「サンデープロジェクト」のプロデューサーが血相を変えて私のところにやってきて、「この連載は番組に対する批判ですか?」と言うのです。そう言われた僕は最初まったく意味が分からなかったのですが、「ご存じなかったんですか? 須田さんが批判している企業は、番組のメインスポンサーですよ」と言われて、ハッと気が付いた。確かに「サンデープロジェクト」の番組冒頭はその企業のCMから始まっていたのです。「そういうつもりは毛頭なかったんです!偶然です!」という言い訳が通用するわけがなく、その後私は番組に出演できなくなりました。

 

――支払いが滞った債務者や連帯保証人に対して「腎臓や目ん玉売って金作れ!」と脅迫まがいの取り立てにより、1999年に社会問題となった商工ローン問題ですね。当時「臓器を売れ」は流行語にもなりました。

須田慎一郎 ヤクザのようなあくどい取り立てをした社員が逮捕されて、一気に社会問題化していきました。そのとき、田原総一郎さんが「サンデープロジェクトのメインスポンサーがこれだけの刑事事件を起こしているのだから、放置していたら番組の信用に傷がつく。どこよりも早く取り上げる」と言って、メインスポンサーの社長を中継でインタビューすることになりました。出演にあたり先方の条件はひとつだけ「須田慎一郎を番組に出すな。自分に質問するな」ということでした。ただ、テ

レビ局も当時はイケイケなので、私が偶然通りかかったことにして、途中から出せと(笑)。生放送の最中に僕が入って「この人はウソをついています!」と捲し立て、5分だけ出演したのですが、とにかく先方はパニックでしたね。生放送なので、私の質問に答えないわけにはいかない。後にこの企業は会社更生法を申請し、上場も廃止されました。

 

――須田さんはご専門の経済関連の取材だけではなく、政治や事件、社会問題など幅広いテーマで取材をなさっていますが、日々どのような情報収集をされているのですか?

須田慎一郎 確かに私には金融や経済というベースはありますが、それだけに限定しているわけではありません。とにかく自分の興味があることは徹底的に調べます。面白いなと思ったものがあれば、情報収集したり、関係者に会ったり、現場に行ったりということをやっていますね。

 

――フットワークも軽いですよね。YouTubeで配信されている辛坊治郎さんとの対談では「取材が大好き」と仰っていましたが、その原体験は?

須田慎一郎 私はどんなときにも「スクープを狙う」のが信条です。他を出し抜いてスクープを発表したときには、一番手のカタルシスがあるのです。

昨年、安倍晋三元首相の銃殺事件があった当日、私はテレビ出演予定があって東京駅にいました。事件が起こったことにより、ほぼすべての局が予定していたものを放送するのではなく、その日は事件一辺倒に。僕も急遽テレビ出演がなくなったので、東京駅からそのまま事件現場の奈良に向かい、現場検証にも間に合いました。山上徹也容疑者宅前では、警察が段ボール箱数十個を押収する場面も自分のスマホで撮影できました。実は、先日、この事件をNetflixでとりあげるため、日本人リサーチャーから連絡があったのですが、「フリーランスで当日現場に入った人はいないから、ぜひ取材させてくれないか」と言われたのです。大変な事件が起こったら、現場で何があったのか、実際に自分の目で見て、確認しないといけないのはジャーナリストの基本。本能に近い衝動だと思います。

 

 

アフターコロナで景気はよくなる しかし、全員に恩恵があるわけではない

――それでは、講演会でもお話する経済の話もお教えいただければと思います。

須田慎一郎 まさに今が転換期だと思います。私は60年以上生きてきましたが、「自分がこんなことを経験するんだ」という出来事が人生の後半でたくさん起こりました。例えば、2011年の東日本大震災では、大規模な災害を初めて見ました。2020年の新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の拡大でも、疫病はこんな風に広がるということに愕然としました。

コロナは日本のみならず全世界で経済や社会生活全般に大きな影響を及ぼしました。経済は需要と供給の関係で価格や市場規模が決まりますが、コロナの影響で需要が大きく落ち込みました。そこで、個人に代わって国や公的セクターがお金をジャンジャン使い、世界ではバブル的な様相、需要過多が起こって、物価が上昇しています。コロナ後に経済回復をしないといけないときに、物価も株価も上がっている。要はお金が巷に溢れているわけです。アメリカはそれを縮小させようとしていますが、体が冷えているところに暖房を最強風にして、もう体は温まっているのに暖房を切り忘れたような状況です。これは極端から極端にふり幅が大きな状況で、儲けるチャンスも損するリスクも大きいと言えます。

 

――日本経済の今後の展望として、明るい話はありますか?

須田慎一郎 これからはアフターコロナで経済活動が正常に戻っていくとは思います。個人消費が回復してきていますからね。個人の一部の層、中高年にはお金はあるし、消費意欲もある。加えて、インバウンドも回復してきています。コロナ前には大阪市内だけで1兆5千億円のインバウンド需要があったのです。

 

――それでは、いい兆候はあるのですね!

須田慎一郎 1991年のバブル崩壊以降、日本は景気が良くなったことがありません。バブル以前の好景気の時には、普通に働いているだけで給料も上がりましたし、国民の多くが恩恵を受けられました。しかし、今回の景気回復は少し事情が違う。恩恵が

受けられる企業と受けられない企業が2極化していくのではないかと思います。優秀な人材を確保できているかどうか、消費者が満足できるサービスや商品が提供できているかどうかが企業成長の鍵を握ります。皮膚感覚として、なんとなく景気がいい気がしてきたけれど、全員が恩恵を受けられるわけではないのです。

 

――年内の日本経済はどうなるでしょうか?

 須田慎一郎 アフターコロナで個人消費が活発化して、ゆるやかな景気拡大傾向にあると言えます。今は多くの人たちがお金を使う気満々だと思いますが、国は防衛費UPで増税し、少子化対策で社会保険料も上げようとしています。その政策が消費マインドを冷やすリスクがあるなら、今税金を上げなくてもいいのではないかとも個人的には思っています。

物価上昇に賃金上昇がついていっていないことも問題です。先日、私はアメリカのカフェでクリームチーズベーグルとオーガニックコーヒーを頼みましたが、なんと3,000円でした。その話を日本人にすると、「そんなに高いならカフェなんて行けないね」と驚くのですが、そのカフェでは私と同じように軽食とコーヒーを注文した大学生らしき若者がパソコンを広げて作業していました。要はアメリカでの3,000円は若者でも高いと思わない金額なのです。所得収入が上がれば、物価が上がっても高いとは思わない。日本でもファーストリテイリングが最大年収4割UP、人件費15%増というニュースが報じられていましたが、他の大手企業もこれに倣っていけば、景気の底上げになっていくと思います。

 

講演会では政治、経済、世界情勢をわかりやすく丁寧に解説

――須田さんの講演会はどんなテーマでお話されることが多いでしょうか?

須田慎一郎 私の講演テーマは「舞台ウラから見た政治・経済~日本再生のために何が必要か」「取材現場から見た政治経済の裏側」などが中心ですが、最近では「コロナ明けの経済・景気はどうなるのか」といったご依頼をいただくことが多くなっています。ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギーや原材料の高騰、物価上昇、そしてこの戦争はどうなるのかまでをお話しする機会が増えました。

これまでは商品の値上げをせずに内容量を少なくする“ステルス値上げ”などの工夫で、企業はどうにか値上げをせずにやってきていましたが、それももう限界が来ています。駄菓子の「うまい棒」ですら、42年の歴史で初めて10円から12円に値上げしたくらいですから。ウクライナ侵攻による影響は日本企業の企業規模に関わらずあります。昨年のドイツG7ではウクライナの復興支援のために合計8千億ドル、110兆円あまりを用意しているファンド、基金が設立されました。先進国はすでに戦後を見据えて動いているため、世界経済もまた変化していくとは思います。結果としてエネルギーや原材料の高騰、物価上昇に歯止めがかかればいいのですが…。

 

――講演会の聴講者に対して、須田さんが心掛けていることはありますか?

須田慎一郎 企業の周年記念や社員研修、会合、公益社団法人の総会など、依頼される団体や講演会の趣旨によって、聴講者にはさまざまな方がいます。地域の懇親会で来てくれたご年配の方がいるときもあれば、商工会議所主催の講演会には高校生がいたときもあります。いろいろなケースがあるので、壇上でどういう人たちがいるのかを把握して、楽しんでもらうためにはどうしたらいいのか、臨機応変に変えるようにしています。講演会で政治や経済の小難しい話をしても、理解してもらえなかったら私もお話しする意味がないですからね。

 

――こうしてお話を伺っていても、須田さんはかなりお話がお上手だと思うのですが、これはテレビ出演による経験がなせる業なのでしょうか?

須田慎一郎 確かに訓練されたのかもしれませんね。私は専門家として、雑誌やテレビのニュース番組のコメントなどを求められることも多いのですが、私に電話が来るときは時間がなくて切羽詰まっている時ばかり。その企画の前後の流れがすでにあって、雑誌なら文字数、テレビなら何秒と決まっているところに当て込む場合が多いのです。ですから、先方のニーズを考えて、「夕方のニュースでこの内容なら何秒くらいだね」と簡潔にわかりやすく自分の情報を提供する。マスコミ業界にいる人間ですから、取材される側になっても何が必要かわかるのです。相手が何を欲しいのか、いつも考えて話すようにはしています。

 

――さすがです。知らず知らずのうちに話術が磨かれているんですね。この度はありがとうございました。

 

 

 

 

 

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