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モーリー・ロバートソン 講演会講師インタビュー

ニューヨーク生まれの広島市育ち。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、イェール大学、カリフォルニア大学バークレー校、プリンストン大学に同時合格。そのなかから東京大学に入学。しかし1学期で退学し、ハーバード大学に入学。1988年にハーバード大学を卒業。
現在は国際ジャーナリスト/タレント/ミュージシャンとしてTVに出演するなどマルチに活躍する。そんなモーリー氏に日本の企業が課題とする、ミレニアム世代との付き合い方について伺った。
(text:大橋博之/photo:小野綾子)

(text:大橋博之、photo:小野綾子)

沈みゆく太陽を取るのか、昇りつつある太陽を取るのか

──講演会ではどのようなテーマで話されているのですか?

 

モーリー コロナ前まではフワッとした保守系が多かったですね。「日本経済をイケイケドンドンにするにはどうすれば良いのかを知りたい」「景気が良くなる方法を聞きたい」といった依頼です。

そのため、「これからは中国ですよ」「AIですよ」と、事実に即した話をしていました。でも少し不満が残っていました。

 

──と、いうと?

 

モーリー もはやイケイケドンドンはありえません。むしろ、「これからは違う時代のパラダイムに黄金がある」という話をしたいのですが、そのような内容にはあまり興味はないようで、受けはあまりよくありません。

 

──そちらの方が大切な気がします。

 

モーリー 実はそれはテレビでも同じです。私はテレビの報道やバラエティーで仕事をしていますが、テレビが「本質」に付いてこられなくなっているので、私はテレビを通じては何も話せてはいません。

 

──確かに、テレビでは「面白いおじさん」の位置づけのようにも思います。

 

モーリー ニュース解説ではなるべく客観的に語ることが中心ですが、それは私が何を提供できるかということも含め、依頼者のニーズが優先されるからです。

多くのマスコミは、コロナにさえ対応できていません。マスコミはテレワークを拒んでいるのではないかと感じます。ネットでの打ち合わせやリモート出演に対するインフラ整備を頑なにやろうしない。いくらでもソリューションはあるのに・・・。システムを導入することは今までの自分達を否定することになるとでも考えているのでしょう。

この先、倒産する放送局が出てくるかもしれません。するとそれをNetflixのような新興会社が買収し、自分達の宣伝媒体として使うでしょう。テレビが牽引するような報道やエンタメは物理面で、すでに崩壊しているといっても良いと思います。

 

──テレビはいずれ、NetflixやYouTubeなど、新しいメディアに取って代わられるとはよく聞く話です。

 

モーリー その危機感は中にいると痛いほどわかります。しかし、私が一言でも発言すると、そこから崩壊する可能性があるのでTwitterでもツイートしてきませんでした。

それは放送局だけでなく、多くの企業も同様です。従来の仕組みが、かつてのソビエト連邦のように崩れつつあります。

 

──崩壊は始まっていると?

 

モーリー そうです。なのに、50歳以上の層に「テンプレートで逃げ切れる」と考えている人達は多くいます。本当は逃げ切れないのに、逃げ切れると思い込みたいだけ。今から考え方をリセットするのはムリなんです。

 

──モーリーさんのいう「本質」とはなんなのですか?

 

モーリー では、「本質」について語って行きます。まず、コロナによって否応なく、大規模な資本主義のチューニングの変更、価値観の変化が起こってくると思います。日本は製造立国、技術立国といわれていましたが、もう持続不可能です。

 

──よくわかります。

 

モーリー これからは、今までのベビーブーマーの大人世代とミレニアム世代が、はっきりと分かれてきます。商品開発では、大人世代=沈みゆく太陽を取るのか、ミレニアム世代=昇りつつある太陽を取るのかの選択が必要になるでしょう。

ただし、沈みゆく太陽にはすでに出尽くしたさまざまな商品がありますし、パイの奪い合いでしかありません。しかも大人世代は高齢化して、いずれはいなくなります。

 

──ならば、ミレニアム世代=昇りつつある太陽を取るしかありませんよね。

 

モーリー ところが、大企業を含め、多くの企業は沈みゆく太陽にチューニングしてしまっているため、ミレニアム世代にシフトすることが難しくなっています。なので上手に抜け出してミレニアム世代にチェンジしなければなりません。ポスト21世紀型資本主義で何が出来るか、が一番重要なことです。

 

まだ大丈夫と思っていてはダメ。いつかは落ちる。

──ではどうすればよいのでしょうか?

 

モーリー もう、昭和のやり方はダメです。これからはミレニアム世代以降の若者が主流の時代になるため、彼・彼女らが何を考えているかを企業はまずは知るべきです。

 

──何を考えているのですか?

 

モーリー ミレニアム世代はクオリティ・オブ・ライフを最優先します。車が欲しいから、家が欲しいからローンを組むということをしません。ムリですよ。安定した収入が見込めないんですから。なので銀行がローンを組ませるといったビジネスは続きません。

 

──既存のビジネスを変えなければならなくなるわけですね。

 

モーリー それにミレニアム世代は地球環境に強い興味を持っています。社会保障の徹底や格差の解消より、南極の氷が溶ける原因であるCO2を本気で削減して欲しいと考えています。

ただ「地球に優しい」というだけではダメで、具体的に「このようにしてCO2を減らしました」といわなければミレニアム世代は納得しません。

 

──それはどうしてなのですか?

 

モーリー 自分達や自分の子ども達が死んでしまうからです。南極の氷が溶けてホッキョクグマの居場所がなくなって死んでいく姿は、ミレニアム世代にとって、まさに自分達や自分の子ども達なんです。

また、ミレニアム世代は就職チャンスや出世チャンスが自分達にはないと解っています。そのため、自己への回帰、自分を磨きたいという欲求が大きくなっています。自分達が生き残るには自分を磨くしかないからです。

「プッシャーゲーム」というのがありますよね。ゲームセンターにある「メダル落とし」「コイン落とし」と呼ばれるゲームで、メダルをマシンに投入すると、マシンの中に入っているメダルが内部にある押し板から押し出されて、落ちたメダルを獲得することが出来る遊び。ミレニアム世代は今の社会が「プッシャーゲーム」で、自分はいつ落ちるか解らないと思っています。

 

──ミレニアム世代の危機感は大きいのですね。

モーリー しかし、「プッシャーゲーム」は、いくらメダルを入れてもなかなか落ちてきません。多くの企業は落ちないメダルです。ミレニアム世代とは逆に「まだ大丈夫」と思っています。しかしいつかは落ちると理解しておいた方がいいでしょう。他社が落ちていないから我が社も大丈夫というのは、なんのロジックですか(笑)。

 

──よくわかります。

 

モーリー しかも、企業のトップには、自分達が持っている価値観や美意識と、ミレニアム世代の考え方が違うため、「こんな奴に俺は絶対に媚びない。自分と同じ世代と心中した方がマシ」という人もいます。

 

──かもしれません(笑)。

 

モーリー 企業は課題を先送りして、見て見ないふりをしてきました。「50年、100年先なんて、そのときは死んでいるから関係ない」という人は多いものです。3年後ですら「その頃にはもう定年だから」と問題に手を下さないという人も数多くいます。

実は、ミレニアム世代は今の大人世代をそう見ているんです。

 

──ミレニアム世代を見ないと企業は生き残れない。

 

モーリー ミレニアム世代に嫌われている清涼飲料水メーカーがあります。その会社のプラスチック容器が最も海を汚しているからです。するとミレニアム世代は自分で飲み物を作った方がいいと考えます。

CO2を出しまくって、氷を溶かし、温暖化を加速させて、ミレニアム世代の子ども達が生きられなくなる社会を作っている企業に加担して戦犯にはなりたくないからです。

他にも、動物愛護、殺処分ゼロにも敏感です。あと人道格差、人種問題、ヘイトスピーチ。

Twitterでタレントや著名人に対する誹謗中傷が問題になっていますよね。大人世代には「そんな、匿名でいったことくらい笑って許してやれよ」と考えている人もいると思いますが、ミレニアム世代にとっては深刻な問題です。

 

──感覚が違うということですね。

 

モーリー 企業はダイバーシティ、多様性、人種のミックスは当たり前と考えなければなりません。男女平等は当然として、役員のジェンダーバランス、民族バランス、マイノリティバランスも考えなければダメです。

「そんな綺麗ごとを言っていたら仕事は進まないんだよ」みたいな親父のオラオラを言っていたら、ミレニアム世代はシュプレヒコールを上げるでしょう。

そうすると日本では社長が出てきて「ごめんなさい」と泣いて謝るけど、そのときにはもう時遅しです。

 

──笑い事ではありませんね。

モーリー ライフネット生命保険は、同性パートナーへの生命保険をリリースしています。それを受け狙いと冷ややかに見るのか、これしか生き残る道はないと見るのかで大きく違ってきます。

 

──企業は役員も若くする必要がありますね。

 

モーリー 一族経営は廃止して相続しないとか、それくらい潔くやれば評価してもらえます。もちろん、反発もあるでしょう。でもそこを乗り越えないとダメです。

 

2021年の2月か3月にショックが来る

──違う時代のパラダイムシフトはいつ起こるのでしょうか?

 

モーリー オリンピックが中止になれば、2021年の2月か3月にショックが来るでしょう。そのための備えは2020年の間にやっていた方が良いと思います。

オリンピックで予算を組んでいた企業は計画が崩れるので、大幅カットや人員整理が始まります。

「コロナが収まれば」「オリンピックが開催されれば」といった希望的観測でつないでいたものが、総てフィクションだと解ると、景気は一気に冷え込みます。

 

──これからの企業は難しいですね。

 

モーリー そうです。やはり、生活も意識も変わって行くということを理解することが大切です。その背景には国際情勢や経済の仕組みの歪が及ぼした結果、ツケを払わされているミレニアム世代がファイトバックしている、生きるために戦っているということを知らなければなりません。

 

──自分達のツケでもないのに払わないといけないとなるとそれは戦いますよね。

 

モーリー 企業は出世の序列の発言権を取っ払うとかしないと無理です。『オレたちひょうきん族』の時代のままの人達が決定を下している間は、下は沈黙を強いられるだけです。

 

──どういう人に講演を聞いて欲しいですか?

 

モーリー 出来れば、20代、30代から40代くらいの人がいいですね。50代でもガラガラ崩れて危機感を持っている人なら来て欲しい。「私は大丈夫です」「資産もあります」という人にとってはつまらないと思います。「目先の利益を出したい」「国際情勢による株のトレンドを知りたい」という人は経済アナリストに聞いた方が良いでしょう。

私はやはり良い大人として、今の地球環境を言わないとダメだと思います。その地球環境問題と密接に関係しているのがグローバリズムです。

 

──モーリーさんの講演は今後、違う時代のパラダイムに黄金があるという話にシフトして行くのですか?

 

モーリー そうですね。今までは昭和は終わった、少子高齢化で大変な時代が来るといった話が多かったのですが、もっと面白いことがいっぱいあるということを伝えたいですね。どこに危機があって、どこにチャンスがあるかです。チャンスをいかにして作り出すかが大事です。

 

──とても勉強になります。貴重なお話しありがとうございました。

 

 

 

 

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