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麻木久仁子 講演会講師インタビュー

1962年、東京生まれ。現在は才色兼備のタレントとしてテレビに講演会に引っ張りだこの麻木さん。
しかし、「タレントとして自分を確立するまでには時間がかかった」と振り返ります。20代中盤から後半にかけて旅番組のリポーターとして、国内の田舎町や村を訪ねることに。その現場を通して、一般の方へのインタビューの仕方、その後それがどう編集されて番組になるのか等さまざまな勉強をし、「仕事が面白くなってきてタレントとして今のカラーができる基礎になった」のだといいます。
その後の活躍は周知のとおり。しかし、2012年に乳がんの告知を受け手術。「いろいろなラッキーが重なって今はもう大丈夫」と明るく話す麻木さん。病気をとおして感じたこと、講演で伝えたい思い、これからの夢などをうかがいました。

(text:三宅扶樹、photo:小山幸彦)

ショックだった癌告知、断捨離の日々

麻木久仁子

──たまたま受けた婦人科検診で乳がんが見つかったのですよね?

 

麻木久仁子: 婦人科の検診は、したりしなかったり気まぐれに受けていました。その時も、何となく「今年は受けてみようかな」というくらいの気持ちで。あの時もし受けてなかったらどうなっていただろうと考えると本当にラッキーでした。

 

──告知されたときの気持ちを教えてください。

 

麻木久仁子: どこかで「癌ではないか」と覚悟はしていました。気をつけていても仕方なかっただろうし、なるときにはなってしまうのが癌なのではないか、と考えたりもして。でも本当に「癌です」と言われたときは“ショック”という言葉がしっくりくるかな。

 

──信じられなかったとか、後ろ向きな気持ちになるとか、そういうこともありましたか?

 

麻木久仁子: いえ、ショックでしたが、でも幸い早期でしたのでここでも運がよかったなあ、とだんだん思うようになりましたし、今もそう思っています。
むしろいやだったのは、影があるということで、癌センターに行って結果が出るまでの3週間くらいの待っている時間。その時間が本当にいやでした。
やはり、ネットでいろいろ情報を見たりして「もし自分がいなくなったらひとり娘が困らないように」と、考えても仕方のない先のことを考えて。家賃の振込先や銀行口座の番号を書き残したり、もし死んだら自分のものは全部ゴミになるからと片付けたり。
でも、娘に何か少しは持っていて欲しいから箱ひとつ分くらいは何か残そうと思って、箱を決めてあれこれ入れたり出したり…。断捨離しながら、ぐるぐるぐるぐるとしょうがないことを考えていました。

 

 

美味しく楽しく食べる時間のありがたさを感じて

──早期発見で、手術も無事に終わって今はどんなお気持ちですか?

 

麻木久仁子麻木久仁子:癌だけでなく大きな病気って「こうすれば絶対防げる」という方法はないのでしょうが、適度な運動をするとか、体調に気を使うというのは大切ですね。
“予病”をすることでふりかかってきた大きな病気と闘うことに集中できます。 私の癌と同じ時期に母も大きな病気をしたんです。
母は身体を動かすことが好きで社交ダンスをしているのですが、やはり基礎的な体力があることも重要だと思いました。70代で大きな手術をしても、手術後すぐにリハビリを開始していました。今はまた社交ダンスも再開してクルクル回っています(笑)。
「快食・快眠・快便」て言いますけど、こういう基本的なことが、いざというときには本当に大切なんだなと痛感しています。私は、子どものころ運動音痴だったこともあり、運動するの、今でも嫌いなんです。マラソンする人の気持ちなんて全然わからない(笑)。
でも、こんな私でも日常生活の中で少し気を付けるようになりました。車を使わず歩くようにしたりとか、少しですけど身体を動かすように心がけています。

 

──食事の仕方も変わったとか。

 

麻木久仁子麻木久仁子:はい。今まではどんぶりものとか、ワンプレートでパパッと食べられるものが多くなりがちでした。でも、今は一回一回の食事を大切にしています。
“応量椀”という椀の中に椀がいくつか入っていて、ふたも椀になるものがあるのですが、その可愛いのがあったので購入して。いろいろな種類のものを少しずつ食べる。彩りも気をつける。食器も気にいったものを使って、箸置きも、などなど。食事の内容や時間が充実すると純粋に楽しいですし、身体にもいいのですから、ね。

 

──誰と、何を、どんな話をしながらいただくのか。

 

麻木久仁子:娘が大学生になったので、今はひとりで食事することもありますが、それでも食事の時間を大切にしています。お米も丁寧に研ぐと食べる時も自然と丁寧な気持ちになりますし、最後のお茶までゆっくり味わうようになりました。
以前、よくしていただいたプロデューサーの方で、胃がんにかかった方がいるのですが、その方が1回目の手術の後、食事に誘ってくださって。その時「人生であと何回食事ができるのかって考えるようになった。そう思うと1食1食が本当に大切。
今まで何千回としてきた食事だけど、もったいない食事も多かった」とおっしゃっていて、その言葉を思い出したりしています。その方は亡くなってしまったのですが、その大切な1回に私を誘ってくれたのも嬉しかったですね。
誰と、何を、どんな話をしながらいただくのか。食事の時間、本当に大切に思うようになりましたし、大切にすればするほど楽しい時間にもなっています。

 

 

 

美容(beauty)に目覚める!

麻木久仁子──これからの目標、夢について考えていることはありますか?

 

麻木久仁子:人生で初めて、美容に興味を持っています。beautyです! 今までは「人間は外見でなくハートよ」とか「人は中身だから」とか高言していたのですが、いやいや今はがぜん興味があります。
25年ぶりにパーマもかけたんですよ。娘にいろいろ聞いて、パックしたり、ゆっくりお風呂に入ったり。素直に楽しいです。50歳過ぎてお肌ピチピチっていいと思いませんか!?
メイクも今までは“5分メイク”だったんですけど、最近流行りのつけまつげとか今風のメイクを娘や娘の同級生から聞いてチャレンジしたりしているんですよ。

 

──乳がんになったこととも関係しているんでしょうか?

 

麻木久仁子:身体に傷がついたこと、関係あるかな。ずっと傷がなかったことを幸せだとも思うし、だからこそ外見に気をつかってもいいと思うようになったのかもしれませんね。

 

 

 

講演会が、検診を受けるきっかけになれば

麻木久仁子──麻木さんと同じような経験をしている方や、同年代の女性に講演ではどのようなことを伝えたいですか?

 

麻木久仁子:癌という病気は、どこの癌なのかとか、どのくらいのステージなのかによって背負っているものが全然ちがいます。難しいですね。
「がんばって」とか「がんばりましょう」とか、簡単には言えないです。 私の講演を聞きに来てくれる方は、同年代か少し上の方々。病気のことだけでなく同年代として共有できる気持ちもあると思いますし、安心し合ったりもしているかもしれません。
皆さん、真剣によく聞いてくださいますし、私もひとりじゃないんだなと感じます。 病気になるということは、もちろんみんな辛くて気持ちもひとりひとり違うけれど、そんな中で言えるのは、「自分で自分を肯定するということ」だと思うんです。
医師も、その医師と決めた治療計画も、それは自分で決めたこと、その自分に自信を持って欲しいです。
今は、情報はいやでも入ってくるし、周りの人も親切心なんだけどいろいろ情報をくれたりするでしょう。それで、迷ったり悩んだりすることも多いかもしれませんが、ひとつひとつ自分で考えて決断したことなのだから、それを大切に「これでいいのだ」と自分を信じてあげること。そんなことが伝わればいいかなと思います。

 

麻木久仁子──婦人科検診も必ず受けて欲しいですね。

 

麻木久仁子:そうですね。現代は、15人にひとりが乳がんになる言われています。
でも、一方で乳がんを発見する技術も、発見したあとの治療する技術もどんどん高くなってきている。
乳がんは、検診することによる利益が大きい癌なのです。
それから、5年後の生存率も高い癌です。早く見つかれば、見つけがいも治療のしがいもある癌なのです。
婦人科系の検査は、ちょっと億劫になるのもわかります。でも、1回行ってしまえば、思っているよりたいしたことではないことも理解できると思いますし、続けることにもつながると思うんです。
だから、私の講演を聞くことが、検診にいくきっかけになってくれればな、と思います。

 

 

 

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