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谷田昭吾 講演会講師インタビュー

谷田昭吾氏は体脂肪計や社員食堂でおなじみの株式会社タニタの創業ファミリー。
ヘルスケアオンライン株式会社 代表取締役で現在は講演や研修活動にも積極的に取り組む。
「タニタで学んだ経営哲学」に加え心理学や組織論についても学ぶ谷田氏の現在について伺った。

(text:伊藤秋廣、photo:小野綾子)

講演への取り組み

 

 

 

――主にどのような企業・団体からの講演依頼が多いですか?

 

谷田昭吾 谷田 企業様が主催する講演会や、商工会議所、税理士や会計士の方々が集まる会合の場に呼ばれることが多いです。
求められるテーマは、「タニタがいかにして体脂肪計を作ったのか?」「タニタの社員食堂はいかにして生まれたのか?」など、これまで語られることのなかったタニタの経営スタイルについてご興味を持たれている方が多くいらっしゃいます。

 

タニタのような中小企業が有名になったきっかけや、従業員が元気に働いている、その秘訣についてもお話をすることもあります。
創始者である祖父とタニタという会社を発展させた父の姿を、公私ともども間近に見てきましたので、まずは会社の成り立ちや歴史の話から入って、祖父や父の思想であったり、事業承継についての経験談を披露することもあります。

 

 

――確かに、非常に興味深いテーマですね。もっとも、聴衆の方々の反響が大きいのは、どのようなお話なのですか?

 

谷田 そうですね。
タニタが大きな赤字を抱えていた時期をどのように乗り越えたのかというエピソードを披露するときに、皆さんの反応が大きくなります。

 

当時、タニタはライターやシガレットケースを製造する町工場に過ぎなかったのですが、100円ライターの登場により、大きくシェアが奪われ、一気に経営状態が悪化。
そんな状況にあっても、私の父は、まだまだ数%程度のシェアを獲得しているに過ぎなかったヘルスメーターで“世界一を獲得しよう”というスローガンを打ち出していました。
その大きな目標設定が、後のタニタの飛躍につながっていると思います。

 

 

谷田昭吾

恐らく、当時の社内は非常に暗くなっていましたから、その雰囲気を明るくしたいという思いから発した言葉だったのでしょう。

中には“そんなのは絶対に無理だろう”と思っていた従業員もいたとは思います。
ただ、自分たちのヘルスメーターを世界一にしようと知恵を絞っていく過程において、情報を求めて専門家とつながったことで、あの体脂肪計というアイデアが生まれたのは事実としてあります。
結局、“世界一を目指す”という思いが大きな変革の第一歩となったのは間違いありません。

 

また、こういったエピソードもあります。
私の父が祖父からタニタを受け継いで社長に就任した際、取締役会のメンバーを一切変えずにいたのも、実はその後の飛躍につながっていると思っています。
父が経営者になったとき、周囲から「経営者には向いていない」などと言われたことがありました。

 

恐らく、祖父の代から就任していた役員の中にも、父が社長に就任したことを面白く思っていない人がいたのかもしれません。
それでも父は、一切メンバーを変えることなく対話を続けることで、相手の理解を求めていきました。

 

組織に属する人間全員の考え方がきれいに揃うということはあり得ません。
しかし対話を重ね、みんなで決めたことだからと納得してもらうことで、同じ方向を向いてもらうことは可能です。

 

これまでの日本企業はどちらかというと、スキルや能力ベースをどう伸ばすか?ということに主眼を置いた教育を行ってきましたが、近年、人材教育や組織開発の最前線において対話が重視されるようになっています。
父は、当時からそれを実践していたのだと思います。

 

 

タニタの経営とは

 

 

――昭吾さんが子どもの頃のお父様は、ご家庭の中でどのような様子でいらっしゃったのですか。

 

谷田 父は経営の話が好きな人で、家庭でも日常的に会社や仕事の話をしていました。
私が小学生の頃からずっと聞かされていましたし、当時はそれほど経営状態が良かったわけではありませんが、私自身もそういった話が好きで聞いていました。

 

小学生で経営の話が面白いと感じるのって珍しいですよね。
ただ、当時の自宅には、常に5台くらいのヘルスメーターが置いてあって、父がそれほど一生懸命に取り組んでいる仕事って、どんなものだろう?という漠然とした興味はありました。

 

谷田昭吾

高校生くらいになると、父が毎朝、マラソンをして座禅を組んだ後に書き物をする習慣があったのですが、そこには「人に貢献する」「社員のために」という言葉がちりばめられていました。
そんな父の姿を誇らしく思いましたし、それらの言葉や姿勢が、現在の私という人間を形成する価値観につながっています。
父は私にとって、ひとつの社会人としてのロールモデルであったのは確かです。

 

 

――近年、タニタのように「グローバルニッチトップ(GNT)」を目指す企業も増え、経産省もその活動を支援しています。特定の市場で世界一を取るためには、どのような視点が重要だと思われますか?

 

谷田 世界一を生むポイントはいくつもの視点があって、ひとつに絞ることは難しいと思いますが、楽観性やポジティブな考え方を持って臨むことは非常に大切な部分であると思います。
父はそういったタイプの人間でしたし、だから会社が窮地に陥っているときに「世界一を目指す」というスローガンを打ち立てることができたのでしょう。

 

息子である私は、単に、そういったポジティブな性格を持つ父の行動原理について分析して、皆さんにお伝えするだけでなく、どうしたら後天的に楽観性を身に着けることができるのか、私が学んできた心理学的なアプローチと共にお話をするようにしています。

 

結局、成功している経営者の言葉として「楽観性が大事だ」と言われても、どのように実践すれば良いのか、どのように身に着ければ良いのかという疑問にぶち当たると思います。
私は、その疑問にお答えしたいと思っています。

 

 

 

谷田昭吾――タニタの幹部でもあり、企業の経営者と目されていた昭吾さんがなぜ、心理学を学ぼうと思われたのですか。

 

谷田 元々は私も、タニタ社の中で新規事業や新会社の立ち上げを任されていました。そこでITコンサルティング会社を経営する知人を巻き込んで事業を進めようと思ったのですが、彼との関係性に悩み、その経験から“どのように相手に伝えればよいのか?” “そもそも自分が何を成し遂げたいのか?”といった根源的な問いを自分自身に投げかけるようになりました。

そこから、心理学やコミュニケーション学を学ぶようになり、実務経験と併せて体系化していきました。

 

当初は自分自身のためであったり、自分のチームビルディングのために研究を深めていったのですが、たまたまお声がけいただいたことがきっかけとなり、私が考えていることをお話させていただく場を持つことになりました。
すると非常に喜んでくださる方がたくさんいて、人に伝えるという行為自体に大きなやりがいを感じるようになりました。

 

せっかく、人前でお話をさせていただくのですから、私の実体験であったり、タニタが実施してきたことや経験してきたことに、アカデミックな理論を結び付けてお伝えすることにしました。

 

そして、“良い話を聞いた”とご満足いただくのはもちろん、何かひとつでも持ち帰って実践していただけるようなお土産を用意。
最終的には皆さんが会社に戻って、経営者だったら社員と、上司だったら部下と“こんな風に話してみよう”と実践できるような、そんな講演を心がけるようになりました。

 

すると、おかげさまで素晴らしいご縁をいただいて、大学の授業でお話させていただく機会をいただくようになったり、企業研修の場に呼んでいただくようになったりして、どんどん活躍の場が広がっていきました。

 

祖父は「ヘルスメーター」という言葉を生み出し、父が体脂肪計を作りました。
三代目である我々の代で、また新しい言葉や文化を作り、外部に広く発信していければという思いをもって、講演や研修講師としての活動を続けています。

ファミリー経営の強みとは

 

 

谷田昭吾――チームビルディングをテーマにご講演もされていますが「愛され上司」と「嫌われ上司」との差はどのようなところにあると思われますか? また社員を大切にする社風はどのように培われたのでしょうか?

 

谷田 コミュニケーションの取り方は様々あると思いますし、良いチームを作ると一言で言っても、その手法は数多く存在します。
そんな中、私たちが推奨してきたのは、非常にシンプルなメソッドで、自分を知る、そして人を知るということを重視しています。

 

部下たちが“何をやりたいと思っているのか”“何を大事にしている人なのか”を知らないまま、チームを引っ張る立場にある人が、自らのやりたいことのためにリードしていこうとしても、部下はなかなか動きません。
そうなると結局、上司の方も動けなくなってしまい、膠着状態となります。
まずは相手のことを知るためにも一旦、自分を知ることはすごく大切かと思います。

 

 

タニタの組織の強みは、父の時代から続くファミリー経営から生まれる特有の連帯感にあると思っています。

私も高校生の頃からアルバイトで工場の組み立てラインに入り、従業員の皆さんと一緒にご飯を食べたり、仲良く話をしたりして過ごしてきました。
それが当たり前のように身に沁みついていますし、家族が一丸になって、目標に向かっていくときの生まれる強い力を実感しています。
それも世界一を生む、一つの要因になっていたのかと思っています。

 

 

谷田昭吾――最後に、ご自身の活動で、これから新たにチャレンジしたいと思われていることはありますか?

 

谷田 最終的には人に伝えるだけでなく、実際に新しいビジネスであったり、会社を立ち上げて、その経験をまた、皆さんにお話しできるよう、両軸で進めていければと思っています。

 

また、タニタはモノを作る会社だったので、あえてアプローチを変えて、カタチのない人の感情や気持ちといった心の領域を探究し、人はどうして心を動かされるのか?どんな景色を見たいのか?AIをはじめとするテクノロジーでは割り切れない、人だから語れる世界を追求し、アウトプットしていきたいと思います。

 

私自身は、ドリーマータイプだった祖父や父に比べて、多少リアリスティックな面も持ち合わせていますが(笑)、谷田家の男たちはみんな、基本的にはイノベーターだと思っています。
まだ見ぬ新しい領域でチャレンジを続けたいと思います。

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