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武田双雲 講演会講師インタビュー

音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、斬新な個展など、独自の創作活動で注目を集める武田双雲さん。
映画「春の雪」、「北の零年」、NHK大河ドラマ「天地人」をはじめ、世界遺産「平泉」、スーパーコンピュータ「京」、など数多くの題字やロゴを手がけている。
講演会で伝えたいことや、ポジティブでいることの重要さ・秘訣などについて伺った。

(text:伊藤秋廣、photo:吉田将史)

毎日を機嫌よく過ごす

武田双雲──講演会の依頼を多く受けてらっしゃると思いますが、主にどのような企業・団体から、どのような内容の講演依頼を受けていらっしゃいますか?

 

双雲:小中高の学生はもちろん、企業のトップやエース級の幹部候補生を集めたセミナーだったり、あるいはベンチャー企業から呼ばれたり、先日は冬季オリンピックの強化選手の合宿所で講演をさせていただきました。テーマについては、主に書道の話題から入るのですが、それは単なるきっかけであって、どちらかというと”朝から晩まで楽しく生きる方法”について話をさせていだくことが多いですね。ノウハウを伝えるのではなく、マインドの持ちようについてお伝えしています。

結局、書道って数本の線で、それこそ映画一本分の世界観を表現するものですから、たった一本の線を描くことの技術論では語りつくすことはできないんですね。限りなくシンプルだから、何で勝負するかといったら、結局、マインドや心構えが大切だよね、という話になります。では、その心構えの部分の質をいかに高めていくのか?といったら、僕の場合、それが“楽しい”ということに直結しているんですよ。楽しく生きて、心が安定していれば、どん底に落ちることなんてないし、紆余曲折もない。安定したサクセスメソッドを僕が知っているので、それをお伝えしているんです。

 

──どうして今、武田さんのお話が強く世の中に求められるようになっているとお考えですか。

 

双雲:みんな疲れているんですよ。成長とか、前年度対比とか、成績とか、勝ち負けとか、比較や競争というものに。僕の話は、未来の希望よりも、今、目の前にある毎日の出来事にフォーカスするという感覚ですから、それが今の時代にマッチしているのではないでしょうか。毎日を機嫌よく過ごすんですよ。朝も嫌々起きるのではなく、“朝って素敵だね”って思ったほうがいいし、着替えや歯磨きといった行為ひとつひとつを丁寧に味わいながらやる。楽しんでいる人はエネルギーが途切れないから疲れないんですよ。無理やりモチベーションをアップしても、結局、無理をしているから続かない。そんな状態に陥っている人が多いのではないでしょうか。

 

武田双雲──“無理にモチベーションをアップさせるな”というメッセージを、結果至上主義の企業から求められるというのが面白いですね。

 

双雲:サービスや商品が利益を生むというのは、結局、その提供物に人気があるということですよね。“人気”という文字は“人の気”と書く、すなわち“ヒューマンエネルギー”なんです。エネルギーとは、気に人が集まるということですから、その商品やサービス、企業ブランドに支持が集まるんです。強くて質の良い“気”を放っている人や組織には磁力があるから、色々なものが集まってきます。それは強力な協力者かもしれないし、良い商談かもしれないし、資本かもしれない。何もかもがうまくいく。だから、人気のある商材を生み出すことができるんですね。ところが“気”のない場所で頑張って、無理やりモチベーションを上げたところで、すぐにダウンしてしまう。個人の気合だけで何とかなるものではありません。そんな時代に僕たちは生きているんです。

昔は日本全体に気が集まっていました。それは、良いか悪いは別として、“バブル”という気ですよ。強い流れがあるから、少し泳ぐだけで誰もが楽に進んでいくことができましたよね。今みたいに、流れのない時代に泳いだって疲れるだけです。ましてや逆流に向かって泳いでも後ろに流されてしまって自分が潰れてしまう。この10~20年の間に流れは変わってしまったんですよね。

 

──その変化に気づいていない人が多いんですね。

 

双雲:そうです。だから、これまでと同じやり方ではもたないですよね。心に結びついていないんです。昔みたいに、本当に心から“高級車や高級時計などを欲しいか”といったらそうでもなくなっている。“成長したい”とか“幹部になりたい”とか“お金持ちになりたい”という野心に対して本気になれない、そんな人が多いのではないでしょうか。すべてが無効化されているんですよ。そういったものが素晴らしいと、皆が信じているうちはそれなりに価値があったのかもしれませんが、今は違いますよね。当時の価値が無効化されてしまった。

むしろ怖いのが、本当はそんなものなんか欲しくもないのに、欲しいと錯覚している人です。現代人は、自分の成功や富といった、“目に見えるもの”を掴みにいっていて、その渦中にいるときには自分も頑張っているような気になるけれど、でも結局、どこかで「あれ? 俺たちってどこに向かっていたんだろう?」「こんなに頑張ったのに何だったんだろう?」って気が付いてしまう。そうなったときの辛さみたいなものを、今、この時代になって多くの人が体験していると思うんです。

 

 

今を楽しむために

武田双雲──本当に必要なものには、どのようにして出会うことができるのでしょうか?

 

双雲:自分に必要なものには自然に出会っていくんですよ。何を手に入れればいいか? どうすればいいか? なんて考えるもっと前の問題で、機嫌を良くしていると、良いものに出会って、「これが好き」って気持ちになりますよね。気分が悪くてモチベーションが低い時に、「自分は何を欲しているんだろうか?」「どうやったら成功できるだろうか?」って考えたところで、絶対にいいアイデアなんて浮かぶわけがないんです。機嫌がいいと、良い発想が生まれ、自分にとって良いものが選択できる。だから、何もかもがうまくいくんですよ。人生って、そういうものではないですか?

皆さんが想像している以上に機嫌・気分が大切なんですよ。機嫌って奥深い。本当に楽しんでいる人って最強ですよね。仕事にしても勉強にしても、頑張っている人より、楽しんでいる人のほうが強い。それは楽しくって飽きずに取り組むことができるから強いんですよね。

 

──機嫌をよくするには、どのような工夫が必要なのでしょうか? そもそも自分でコントロールできるものなんでしょうか?

 

双雲:機嫌のキって“気”ではなく、機械の“機”という字を使っていますよね。“機”というのはコントロールやチャンスという意味を持っていて、自分で“選択できる”ということを表しています。性格の問題ではなく、システムのアプリ選択ができるかどうかの話です。

人間にはたくさんの感情アプリが内蔵されていて、自分の親や、これまで育ってきた環境の影響で、選択癖がついているだけです。そのアプリって、誰もが等しく持っているものなんですが、いつも無意識に選んでしまうアプリをちょっと疑ってみるといいですよね。「あれ?これでいいんだっけ?」と。「通勤ってそんなにいやだったっけ?」とかね。イライラするとかつまらないという感情を、「お!楽しそう」とか「美味しいね」「いいね」っていう、そんなポジティブなアプリ選択を習慣づけていくだけで、脳内の癖が矯正されていくんですよね。そういった習慣という名のプログラムに書き換えることができるのが人間という生き物です。脳は単にプログラム通りに動くコンピューターみたいなものだって、そう思えば楽に機嫌を変えることができると思いますよ。

 

──機嫌を整えれば、もっと人生を楽しむことができるということでしょうか。

 

双雲:いきなり、“もっと楽しもう!”といわれても難しいですよね。人間って成長を重ねるにつれて、“しなくてはいけない”と思うことが増えていきます。例えば、勉強しなくては、仕事しなくては、家族のために稼がなくては…。この“しなくてはいけない”は、モチベーションの対極にあって、強制的な意味合いが強くなっています。そんなことばかりに支配されているから、楽しむことができないんですよ。だから、心から楽しむためには3歳児くらいに戻らなくてはいけない。4歳になると、もう“幼稚園にいかなくては”がはじまってしまいますからね。子どもの頃って意味もなく楽しかったじゃないですか。無邪気で何も考えていない。そこにヒントがあるんですよ。どうしても大人になるとブレーキが多くなってしまいますよね。常に誰かからの評価を気にしている。結局、過去の批判や将来の不安ばかりに意識が行って、今を生きているようで今を生きていない。

どうすれば、今に生きることができるか? それは千利休がやりたかったことと一緒なんですよ。茶道ってお茶を飲むまでの所作に時間をかけるじゃないですか、茶碗を回したり眺めたり。目の前の所作を丁寧に味わいながら行うことで、過去や未来に広がっていた意識を、その所作に集めることができるから、だから今を楽しむことができる。そんな無駄なことが大事だということが日本古来の文化、茶道や書道を通じて理解ができるんです。

 

 

シンプルに所作を整え、感情を整える

武田双雲──大学は東京理科大学の理工学部を卒業され、NTTへ見事入社が決まりますが、そこから書道家へ転身されます。書道家を目指そうと思ったキッカケは一体何だったのでしょうか?

 

双雲:一言でいえば、“IT革命と、母親の書のカッコよさに対する再認識が頭の中でコラボして興奮状態になったということです。書は、僕が3歳くらいのときからやってはいましたが、もう高校・大学の頃にはほとんど筆をとっていなかったんですね。NTTに入社して独身寮での生活があまりにも暇だったんで、久しぶりに書いてみたら面白くなって、そんなときに母親の書を久しぶりに見たら感動しちゃったんですよ。

ちょうどその頃、会社の同僚の名前を筆文字で書いてあげたらすごく喜ばれていて、“名刺を書くのっていいんじゃないか”と漠然と考えていました。それでインターネットで検索したら、名刺マーケットが6億市場だって書いてある。書と名刺、そしてIT革命とつながっていって、一気に興奮が高まっていったんですよ。“書道やばい!”って、ずっと、周囲の友人に言っていましたよ、“ワケわかんない”って言われていましたけれど(笑)。

最初は会社を辞めるつもりはなかったんですが、ある時、同僚の女性の名前を筆で書いてあげたら「私、自分の名前嫌いだったけれど、はじめて好きになれた。ありがとう」って、泣かれたんですよね。そのとき、あまりにも感動して「辞表」という文字を筆で書いていました。こんなに感動してくれるんだって。しかもインターネットを活用すれば、日本中の人の名前を書いてあげることができる。日本だけでも一億人いるから“一日一人ずつ書いてあげたって、一生かかっても終わらないや”って、もうすごく興奮していた。それまでの僕はどちらかというと冷めていた人間で、部活もやる気ないし、勉強もやる気がない。そんな人間だったのに突然、溜まっていた油に火が付いたような感じでしたね。

 

武田双雲──性格さえも一気に変わるくらいのインパクトがあったんですね。

 

双雲:本当におかしいくらいに一気に自分が変わったんですよ。人生で一度くらいはそういう瞬間って誰にでもありますよね。20代の特権ですよね。年を重ねるとブレーキかかってしまいます。“そんなことをやっても意味ない”とか、自分で自分に言い聞かせてしまって。若気の至りって大事ですよね。

とにかく、そのときに“楽しもう”って決めたのが僕にとっての最高の選択だったと思うんです。苦しい選択も、楽しい選択も、全部楽しもうと思ったし、楽しめなかったらやらないと。せっかく会社を辞めたんだから、一つひとつ楽しんでいこうと決めたら、そこから全てがうまくいくようになるんですよ。すべてが奇跡だらけ。思ったことがどんどん叶う体質になって、こちらから掴みにいかなくても引き寄せられるようになったんです。

 

──著書の【ポジティブの教科書】がベストセラーを記録していらっしゃいますが、25歳の時に楽しもうと決めたときから、ずっとポジティブでいることができたんでしょうか? もしそうだとしたら、秘訣のようなものはありますか?

 

双雲:もちろん、楽しめないときだってありましたよ。ネガティブになることも、不安になることもありました。今だって、ついつい機嫌が悪くなることだってあります。そんなときは「あー、危ない、危ない」って、無理はせずに自分の一番楽な方法で気持ちを変えるようにしています。煮詰まったら仕事はストップして散歩に出るとか、ダラダラのしかたも研究していますよ、ちょうどいいダラダラ(笑)。

武田双雲 大切なのは自律神経を整えることで、自律神経のバランスを保って生きているからポジティブでいられるし、ぶれそうになったら自分で調整すればいい。常に専属のピアノの調律師を付けているようなものですよ。音がずれる前に調律をすればいいんです。人間、誰しもポジティブでい続けるのは無理ですし、絶対ネガティブになるし、疲れも溜まります。自信だって失くすことがあります。それを認めないと逆に危ないです。ネガティブでいいしダメ人間でいい、という状況から始めればいいんです。

僕の場合、ネガティブとポジティブの差があまりないんです。落ち込んではいけないとか、これが良くてあれがダメ、という世界からちょっとずつ抜け出して、すべてありだけれども、今日はこっちを選択しておくか~、くらいな軽い感覚で感情を選んでいるんです。だから落ち込んでもいいし怒ってもいい。選択肢という概念すらないんです。そのほうがずっと楽に生きていくことができますよ。

 

──NHK大河ドラマ「天地人」の題字や、CMや映画の題字など揮毫されていますが、相当なプレッシャーがかかると思います。武田さんなりのプレッシャー対策、緊張をコントロールする方法などありますか?

 

双雲:大きい仕事と小さな仕事の区別がないんです。僕の概念からすると成功、失敗という概念もないので、良い仕事、悪い仕事という差もないんです。今、目の前にあるもの全部が自分の“楽しい”を作っている要素だから、上下がないし、現在と未来もない。仕事の大きさによってモチベーションが違ったら変ですよ。金額によって書く文字が違う書道家なんて嫌なヤツじゃないですか(笑)。これは大河だから頑張ろうとか、これは個人から依頼を受けた仕事だからそこそこ…なんて、そんなのはおかしいですよね。そもそもTVの仕事が上だとは思わないですし。そこではなく、ひとつひとつの所作を丁寧に整えながら、仕事に向かうことが重要なんです。

どうやったらうまくいくか?なんて頭の中で考えたってわからない。無駄なプレッシャーを感じるだけです。そうではなく、もっとシンプルに所作を整え、感情を整えるだけで、僕たちが考える以上の最善の現実というものがやってくるんですよ。

 

武田双雲──最後に講演会でお会いする皆さんへメッセージをお願いします。

 

双雲:僕の場合、頭の中のイメージと自分の感情と身体の動きをリンクさせるのが得意なんです。講演では、そのやり方を皆さんにお話しさせていただいています。誰かにお伝えしたいという意思があるというよりは、結局、自分自身の生き方に感動し興奮しているんですよ。美味しいラーメンを食べたら、「あそこの店のラーメン、すげーうまいよ!」と周りに話しているような感覚と一緒で、僕自身が興奮していたら、TVに出ませんか? 講演会やりませんか? 本を出しませんか? と声がかかるようになってきました。

自分の機嫌を整えることで、こんなにラッキーが舞い込んでくる。実力も性格も生い立ちも実績もキャリアも一切関係ない世界なんですよ。心を整えることで、みなさんの人生を明るく、毎日が楽しく、そしてラッキーになれるようにするのが得意なんです。機会があれば是非、一度聴きに来ていただきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

武田双雲

 

 

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