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千原せいじ 講演会講師インタビュー

弟の千原ジュニアと共に、お笑いコンビ・千原兄弟で活躍。ABCお笑い新人グランプリ 1994年度/第15回 優秀新人賞を受賞。ピンでもTVのバラエティー番組や映画、ラジオなどで活躍する。
歯に衣着せぬ物言いだが、社交的と言われ交友関係も多岐にわたる。また、人間だけでなく動物とも打ち解けることのできる特技の持ち主。飲食店の経営やダンススクールの主宰など、実業家としての活動の場も広げ、TVの海外ロケで70カ国以上をめぐった経験をもつ。
そんな千原せいじ氏に世界から見た日本について伺った。

(text:大橋博之、photo:小野綾子)

日本人は海外と日本とは違うことが理解できていない

──せいじさんが講演会をするようになったのには、何かきっかけがあったのですか?

 

千原せいじ 2016年に『がさつ力』 (小学館よしもと新書) という本を出したんですが、キャンペーンでサイン会をするときにトークショーの時間を設けたんです。そこから講演会の依頼が来るようになりました。

 

──その「がさつ力」とは何なのでしょう?

 

千原せいじ もっと気楽に考えたらええんちゃう?ということです。なんか世の中「こうしなければならない」がすごく多いじゃないですか。それだとしんどいでしょ。

 

何事にも「こうしなければならない」ということはないんです。自分の思った通りにすればいいんです。

 

例えば、コンビニのおにぎりを食べるとき、海苔だけ先に食べてもええ。それを「おにぎりは海苔と一緒に食べるものだ」と言われても、「そんなんどうでもええわ!」と思いません? がさつでもええやん!という話です。

 

──よく解ります(笑)。どのようなところから講演依頼があるのですか?

 

千原せいじ いろんな企業、団体から来ますけど、意外にも大手企業も多いですよ。あるグローバル企業での講演会では世界中の社員に向けて中継されました。

 

──講演会ではどのようなお話をされているのですか?

 

千原せいじ テレビ『世界の村で発見!こんなところに日本人』のロケなど、海外には70か国くらい行っているので、その海外での体験談が中心です。

日本人は海外で結構、勘違いしてますよといったことです。ネットではわからへん、現場に行かないと理解できないことですね。

 

──せいじさんが講演のテーマにされている「世界から見た日本」ですね。具体的には?

 

千原せいじ 日本人って日本のルールがグローバルルールだと思っているんです。アフリカのタンザニアのホテルで、日本人のおばちゃんが「日本だったらこうなのよ」と言っているのを見たことがありますが、「だから何?」ですよね。

日本と海外はまったく違う、ということが理解できてないんです。

 

──日本人のあるあるですね。

千原せいじ あと、日本人は間違った正義感というか、自分を良い人に見せたいというのがあって、発展途上国の貧しい村の子ども達に自分が持っているものをあげたりするんです。

 

僕も何気なくボールペンをあげたことがあるんですけど、1本しかなかったから子ども達で奪い合いになったんです。そのときは『なんてことしてしまったんや』と反省しました。それからは絶対にモノをあげないようにしたし、スタッフにも言うようにしました。でもみんな、ピンとこないんです。

 

あるとき、スタッフが弁当に入っていたミカンを、近くにいた3歳か4歳ぐらいの子どもにあげたんです。その子は隅の方に走って行って隠れて食べました。するとどういうことが起こるか。

 

発展途上国の貧しい村の子どもは一生、その村から出ることはありません。その村で死ぬまで生きるんです。

隠れて食べたことは村の誰かが絶対に見ているから、「外国人からもらったミカンを独り占めして食べたやつ」と周りから言われながら生きて行かないといけなくなるんです。そんなことも考えずにやっている人がいるからダメですよ、ということも喋っています。

 

──そういうことに気づいたのはどうしてなんですか?

 

千原せいじ それは現地の生活を見ていたらわかります。発展途上国の貧しい村にロケで行ったとき、現地のドライバーが、車にあったポテトチップスを村の子ども達にあげてもいいか、と聞いて来たんです。

 

「ええよ」と言ったら、ビックリしたのが、子どもを全員並ばせて、ポテトチップスを一枚づつ配るんです。あげるんなら全員にあげる。そこまで徹底してやるんやって。

 

──日本人は発展途上国に行っても自分達の常識で考えてしまうんですね。

 

千原せいじ 日本という国は先進国ですが日本人は「発展途上の人」が多いと思うんです。

相手の文化を敬うのがすごく苦手やないですか。日本の外交がうまいこと行かへんのは、根幹にそれがあるんやろうなと思います。自分らの考えを押し付けたら、それは喧嘩にもなりますよ。

 

 

海外の人はもう、日本なんてなくてもええと思っている

──せいじさんの講演会のテーマに「コミュニケーションは取ったもん勝ち!」があります。どうすれば上手くコミュニケーションが取れるのでしょう?

 

千原せいじ むっちゃ仲良くしようとかせず、普通にしてればいいんです。日本人はコミュニケーションが苦手と言われていますが、外国人でも苦手な人はいます。

 

日本人はみんな一緒が好きでしょ。コミュニケーションを取りたいとか実は誰も思ってませんよ。日本人の大多数がそうやから、それで良いと思っているから、それでいいんじゃないですか。

 

──ムリにコミュニケーションを取る必要はない?

 

千原せいじ どうすれば、コミュニケーションが上手く取れるかじゃなくて、日本人はコミュニケーションが下手すぎるんです。フランスの友達は「日本人が一番、タチが悪い」と言っていました。

 

──というと?

 

千原せいじ ヨーロッパにツアー旅行に行って、五つ星のレストランで食事をするとき、ギャルソンが「どうですか?」と笑顔を向けたら、「美味しいです」と言う。なのに、後でネットに「塩が少なかった」とか「スープがぬるかった」とか書いていると。でも、残すわけでもないんです。

 

「美味しい」と言って全部、食べて、後で文句を言うのは日本人だけやと。フランス語知らなくても「ソルト」とか「ホット」とか言えば通じるんやから。

 

──コミュニケーションを上手く取る以前の問題ですね。

 

千原せいじ 日本人は逆なんです。粗相のないファミレスでむちゃ偉そうにして、1万円のコースのレストランに行くと、文句があっても、ありがたがって食べる。違うでしょ。

 

──(笑)。コミュニケーションを上手く取るにも世界や社会のルールがわかっていないとダメということです。

 

千原せいじ 日本人は考え直さないとダメなんです。海外に行ってると、日本は寂しい国やなとつくづく思いますわ。よく、ビジネスでは野球と政治と宗教の話はNGというのがあるでしょ。

 

ほんとに「阪神ファンとは仕事しない」と言う人いますからね。海外に行ったらそんなことは全然なくて、支持している政党が違ってても、それはその人の個性と理解しています。パーソナリティと仕事はまったく別物という考えです。

日本人は何かで評価したがる。アホやなと思います。(笑)

 

──日本はどうしてダメになったのでしょう?

 

千原せいじ 日本人は日本のことをスペシャルやと思ってるからとちゃいます? 日本人は海外から観光客が来ると「日本やから来た」と思っとるけど、その観光客は帰りに韓国に行ったり香港に行ったりしてるんです。別に日本だけが目的とちゃうんです。

 

──海外の観光客は日本は物価が安いから来るとよく言われています。

 

千原せいじ そうそう。日本人は日本が凄いと思ってるけど、そんなことはぜんぜんありませんからね。

 

昔は日本製品は性能が良くて安かったのに、中途半端に高級品になってしまった。今、世界で普及しているテレビは日本製じゃないですもん。中国か韓国製でしょ。日本は壊れないものを作るのが好き。

でも、中国とか韓国は壊れたら別の製品と取り換える。そのぶん安くしてぐるぐる回す。そっちの方が効率的やから売れるのは当たり前ですよね。

 

正直、海外はもう、日本なんてなくてもいいと思ってますよ。

 

──日本は考え方を変えないとどんどんダメになって行きますね。

 

千原せいじ あと、僕は老人のパワーが違うと思うんです。海外のおじいちゃん、おばあちゃんはめちゃ元気ですよ。

僕、オランダに行ったとき、ゴッホ美術館に寄ったんですけど、「チケット売り場はどこですか?」とスタッフに聞いたら「はあ?」と言われたんです。チケットなんか売ってなくてオンラインのみなんですよ。

 

QRコードがあるから携帯で読み込んで、入る時間を選択してクレジットカードで支払いしたらそれで入れるんです。そんなこともできない人やと思われて、めちゃ恥ずかしかったですわ。

 

なんで日本でもそうならないかというと、おじいちゃん、おばあちゃんが携帯を使いこなせないからです。アメリカ、ヨーロッパ、中国とかアジアにしても、日本以外の国の老人はみんな使いこなしてますよ。

 

使えない人に合わせてたら、日本はどんどん発展途上国になって行くと思うんです。

 

 

体験したことを喋っているだけ

──企業がせいじさんに講演を依頼するというのは、そういう本音が聞けるからなんでしょうね。

千原せいじ 僕はおべんちゃらは言わないから。ほんまのことしか言わへんからとちゃいます?

でも、僕がずるいのは体験したことを喋ってるだけですからね。

 

──ずるい?

 

千原せいじ 講演会だと、先生方がいろいろ考えて、調べてから喋るでしょ。僕は見たこと体験したことを喋ってるだけですからね。

 

──頭で考えた机上の空論じゃないから受けるんでしょうね。

 

千原せいじ 講演会が終わってから「来年もお願いします」と言われたこともあるし、何度か行ったところもあります。

 

──体験は大事ですよね。

 

千原せいじ 日本はまだ日本のなかだけで考えているから本当に不思議です。信号が一個しかない島と東京が同じ交通ルールなんですよ。異常でしょ。

 

あと、日本人はもっと遊んだ方が良いと思うんです。お芝居をやっても、お客さんが緊張しているんです。

 

エンタメを楽しむのが下手やなと思いました。周りが笑ってなくても自分が面白いと思ったら笑ってもいいし、泣いてもいい。それに、エンタメはファンタジーでフィクションやのに、リアルを求めてくるんです。漫才で車を運転するというとき、シートベルトをする所作がなかったって文句言うとか、ヘンでしょ。

 

──ネットの影響もあって重箱の隅を突く人もいますよね。

 

千原せいじ 僕の周りで、社会的地位があって影響力がある人で、インターネットに匿名で書き込みしている人なんてひとりもいません。暇で時間が余っている人が匿名で書くんです。

 

──とても貴重なお話しありがとうございました。

 

 

 

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