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幼少期をアメリカやイギリスで過ごし、中学1年で英検1級、高校3年でTOEIC990点・全国模試1位を達成。東京大学文科一類に現役合格し、在学中に司法試験にも合格した越水遥さん。大学卒業後は大手法律事務所に所属したのち、独立して法律事務所を開業。弁護士として幅広い業務に従事する一方で、テレビやラジオなどのメディアでも活躍の場を広げています。講演では、受験や司法試験を現役で一発合格した勉強法や、SNSとの向き合い方、ハラスメントといった現代の課題に対し、法律の視点からわかりやすく解説してくれます。講演依頼のSpeakersに新しく講師として登録された越水遥さんに、これまでの経歴や講演会の内容などお話を伺った。
(text:高田晶子、photo:遠藤貴也)
越水遥 私は10歳になるまで、2年間をアメリカ、8年間をイギリスで過ごしました。現地の学校に通っていたのですが、外国では自分の国がどんな国なのか、アイデンティティは何なのかということを重視する傾向があります。出身を聞かれた時に、私が「日本人です」と言うと、「日本人の凄さは緻密なところだよね」「戦後の復興が早かったのも、商業が盛んだったからかな」「日本は真面目で誠実な企業が多いよね」「日本製品は質が高くて人気だね」などと言われて、物心がついたころから自分のアイデンティティが「日本企業はすごい」というところにあったように思います。
帰国して大学に入学した頃に周りを見渡してみると、日本は大企業もベンチャー企業も、昔ほど活気がなくなっていました。世界に誇れる部分が徐々に薄れていく傾向があると感じた時に、自分が日本の企業を活気づけるために何ができるかを考えて、企業法務に関わることができる弁護士になりたいと思い、弁護士を目指すことにしました。
越水遥 官僚の道も検討しましたが、法律を作るよりも企業側の援助をしたいという気持ちが強かったので、大学2年時には弁護士に絞って、本格的に司法試験の勉強を始めました。私にとって「1年でも早く実務に携わる」ということが重要で、在学中に受かりたいと思っていました。逆算して考えると、3年時に予備試験、4年時に司法試験に受からねばならないので、かなり頑張りました。
そもそも法律は、国民全員が従わなければならない国の基盤となるルールです。一般の個人のみならず、企業も含む全ての行動が法律に制約されていることが非常に興味深く、法を司る職業に就けたら、自分の得意分野も生かせるのではないかと思い、最終的に法曹の道に進もうと決めました。
越水遥 いくら頭が良い方でも、司法試験は覚えねばならない知識量が膨大です。知らないことはテストに出てきてもわからないので、一通り読まなくてはならない。読むだけでもかなりの時間を費やします。大学2年生の1年間であらゆる知識をつけねばならないという意味では、無茶なスケジュールだったので、勉強量は多かったと思います。ただ、学生時代はダンスサークルの活動も結構ちゃんとやっていて、英語の塾講師のアルバイトなどもしていたので、勉強時間も日によってまちまちでした。土日に何もない時は1日10時間勉強することもあれば、平日に大学から帰ってきて2時間しか勉強できない日もあったので、バラつきはありましたが……。
越水遥 司法修習の1年間は、本当に貴重な時間でした。司法修習生はまだ正式な弁護士ではなく、有資格者になる前の段階で初めて実務に携わる場です。ここで初めて刑事事件に多く関わるのですが、自分のなかではターニングポイントとなりました。 今までの自分の人生は、中学や高校で似たような属性の人しかいない環境で育ち、東大に入った後もそんなに雰囲気が変わらない状況でした。そんななか、刑事事件に関わって、初めて「こういう人も世の中にいるんだ」という衝撃を受けました。こんな境遇、バックグラウンドの人がいるんだ、こんなつらい人生を歩んできた人がいるんだとカルチャーショックを受けたんです。
越水遥 例えば、検察の役目のひとつとして取り調べを実行することが挙げられます。詳細は言えないのですが、被告人が年配の男性の時には「年齢も自分の孫より下だし、女だし、おまえには話したくない」といったことをよく言われました。同じ司法修習の同期でも、私より少し年齢が上だったり、男性だったりすると私には話してくれなかった被告人も、急に喋り出したりすることもありました。被告人を守ってあげる立場の弁護士に同行した時にも、「おまえは女でよく司法試験なんか受けたな」「女が弁護なんかできるのか」と詰問されることもあり、根本的にまだ男性社会が現存しているのだなと、まざまざと実感させられました。
越水遥 それまで「女だから」という理由で不利益を被ったことがなかったので、かなりショッキングではありました。ただ、それと同時に、法律というものを背負っていくところの責任感も感じましたし、人を裁くことに葛藤を抱えていらっしゃる裁判官の方のお話を伺えたことも良い経験となりました。私は割と勉強が得意だと思っていたのですが、実際に学んだことを実務に活かすことは全然違う話なんだということに気付けました。勉強していくら判例を知っていたところで、ダメなんだと初めて思い知って反省しましたし、早めにこの辛く苦しい思いをできたことは、自分の弁護士人生のなかでもかなり大きかったと思います。
越水遥 裁判官からも声はかかって、非常に興味深いとは思ったのですが、自分の根本にある企業の成長やベンチャーの発展のお手伝いがしたいと考えると、裁判官よりは弁護士かなと思いました。
越水遥 法曹関係以外の方にはあまり知られていないかもしれませんが、最大手のひとつに採用されたことは、自分のキャリアとして大きかったと思います。ここでは国内外でのIPO(新規公開株式)やM&A(企業間の合併や買収、売却など)に深く関わりました。その他にもファイナンスという形で、資金調達をして企業の成長に繋げるお手伝いや、社債や株式を発行するなどという企業の成長過程に関する法務を中心に取り扱いました。
越水遥 そうですね。ありがたかったです。「西村あさひ」には丸2年ほど所属させていただいた後に、独立して、自分の法律事務所を作りました。今もクライアントはほぼ企業法務ではあるのですが、最近では一般個人の方の案件も受け始めています。自分の視野も広がり、面白いと感じています。
越水遥 西村あさひの同期は50人ほどいますが、私だけですね(笑)。もちろん「西村あさひ」での仕事はすごくやりがいもあり、楽しかったのですが、ここでメインになるのは、誰もが知っているような大手企業の案件ばかりでした。面白いと思う反面、大企業は割と社内法務がすでに整備されているうえに、社内に法務部もあってしっかりしている企業がほとんど。その法務部でもわからないことを西村あさひに聞くという形で、水戸黄門の印籠的に「西村あさひがOKと言ったら、大丈夫だよね」というケースが多く、自分のやりたいことと若干乖離していたかなと正直感じていまして……。もちろん、大企業を支える企業法務も素晴らしいですし面白い上に勉強にもなり、紙面に載るようなビッグニュースを取り扱えるのですが、自分のやりたかったことはやはり一貫してベンチャー企業の発展や成長を支えること。ありがたいことに、いろいろなベンチャー企業の方から「ちょっと法律的な部分を見てほしい」「顧問に入ってほしい」などというオファーをいただくことが増えてきたので、独立する運びになりました。ベンチャー企業を支えるなら、自分で法律事務所を立ち上げて、自分自身が経営者になり、ビジネス展開していくことも必要だという気持ちもありました。
越水遥 企業でも個人でも、その企業の本質を見極めることはポリシーのひとつです。法務だけを見るのではなく、どんな経営理念なのか、きちんと経営をしているのか、どんな仕組みで何を目指してやっているのかなどを、きちんと丁寧にヒアリングしたうえで法務を提供することを重視しています。
というのも、「法律的正解とビジネス的正解は必ずしも同じではない」と私は感じていて、法律的には確かに正しいけれど、ビジネス的な側面でこんな契約書のレビューを出したら、仕事相手からクレームが来たり、時に法律的には不正解だったとしても、そのビジネスを進めていく上では無視したほうがベターな案件なども結構あることも。法律とビジネスの両面をきちんとアドバイスできるような事務所になりたいと思っています。
越水遥 それはよく実際に法律家が指摘されるところではあって、私もずっと課題だと感じていたところです。
越水遥 最初にメディアに出てみたいと思ったのは、司法修習の時です。というのも、クラスの60人中、50人が男性だったのです。女性が本当にいないなというのが率直な感想で、裁判官も男性ばかりでしたし、検察官も全体の中で女性には1人しかお会いしなかった。その後、それぞれ弁護士事務所に派遣されるのですが、私が所属した事務所に女性はいませんでした。つまり、法曹界に女性がほぼいない状態なんです。それは不健全だと感じました。例えば、離婚したい、性被害に遭ったという時に、女性弁護士に相談したいと思っても、そもそも女性が少なすぎて相談できない。男性弁護士はメディアにもたくさん露出しているけれど、女性弁護士のロールモデルがいない。そこで、おこがましいのですが、弁護士資格を持っていて、実務もバリバリやっている女性がいてもいいのではないかと思うようになりました。
越水遥 反響はすごくあって、「女性で弁護士っているんですね」「私も司法試験を目指してみようと思いました」というSNSのDMやコメントなどがたくさん来ました。メディアの力も感じましたし、“今後の日本のため”というのは大げさなのですが、働き方のひとつとして、女性で弁護士もいるんだよと示していけるような存在になっていきたいということは、メディアに出る長期的な目標です。
越水遥 私は今26歳で、恐らく弁護士としては最短のルートでキャリアを積んでいます。試験に最短合格するための逆算式勉強法も書籍にまとめましたが、勉強や試験は必ず最後に目標地点があるはずです。勉強が得意だから試験に受かるのではないし、天才だから東大に受かるものでもありません。そうした勉強法や資格試験に受かる方法などの講演依頼は結構多いですね。 また、女性の社会進出、女性としてどのような働き方をしているのかというテーマもあります。それは、女性が頑張っていないからとか、男性側が女性を差別しているからということでもなく、女性は男性にはできない子どもを産み育てる役割を担う人が多いです。だから、どうしても男性優位の社会構造があるので、女性は根本的に男性とは違う働き方になるのは必然です。では、女性がどうしたって不利な状況でどうしたら女性が生き生きと社会で活躍できるのかという話をすることも多いですね。 また、私が幼少期にアメリカやイギリスで育ったこともあり、教育に関する話や、まだ20代ということで、法律とSNSとの向き合い方というテーマも多いです。 SNSに関しては、すごく身近で手軽なツールではあるがゆえに、知らず知らずのうちに誹謗中傷などの犯罪を起こしてしまうケースがあります。窃盗などの犯罪は間違えてやってしまったということはあまりなく、意図して行うことがほとんどですが、SNSはやりとりがヒートアップする中で、自分が加害者になることがあります。しかも、証拠が残ってしまう点では、誰かが本気でお金と時間をかけてでも訴えようと思ったら、犯罪者に仕立て上げられてしまう。そんなリスクのあるツールを危機感無く無意識に使っていることが問題なので、法律的にこんな表現がダメなんだというリテラシーに関する講演をすることもありますね。
越水遥 すべてに共通して言えることは、「知っているのと知らないのとでは、全く世界が違いますよ」ということです。自分自身がすごく積極的に外の世界に関わっていくタイプではなかったのですが、司法修習や弁護士での活動を通して、自分が知らない世界があるんだということをまざまざと感じさせられました。人間は自分の周りの世界が全てだと思う傾向はどうしてもあります。ただ、それに気が付いて、想像力を持って他者と接することができるかどうかで、自分の今後の人生も大きく変わってくる。自分が今いる世界線、環境がすべてではないことを知ることは大切なことだと思います。
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