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木下博勝 講演会講師インタビュー

女子プロレスラーと医師という異色のカップルで、メディアで見られる妻・ジャガー横田さんとの掛け合いも人気です。おしどり夫婦ながらも、恐妻家ぶりが微笑ましい医学博士の木下博勝氏。
その親しみやすさが人気の秘密でもあるが、消化器外科を専門とし、大腸がんに関する研究者としても知られている。そうした実績に対する評価も高く、健康・医療をテーマとする講演依頼が、他の医師よりも多いゆえんといえる。抗加齢医学会の専門医でもあり、消化器外科医として、消化管のアンチエイジングの研究にも携わっている。
また、大学教授として、女子大学で医療・健康に関する講義も受け持っているが、「乳がんや大腸がんで死ぬことは実に残念。きちんと検診を受け早期に発見していれば、十分に防げ、克服できる」と訴える木下医師。
命は、自分だけのものではなく、失われて悲しむ周りの人のものでもある。そのためにも命を大切にし、健康維持に努めなければいけない。最愛の妻と子どもに恵まれ、充実した日々を過ごしている木下医師にとって、まさに家族と健康に勝る宝はないといってよい。 そんな木下医師に、健康管理に関する専門的な話と、最愛の家族とのエピソードを通して、人生や世の中にとって欠かすことのできないものについて伺った。

(text:増田聖祥、photo:小山幸彦)

さまざまな要因が、がんをもたらす

木下博勝

──ご専門の大腸がんは、がんによる部位別死因で、男性で3位、女性では1位となるほど、最も身近で注意しなければならない病気ですね。

 

木下:がんを発症する原因は、単純なものではなく、複数の要因が複雑に絡み合っているので、一概に特定できません。生活習慣だけでなく、遺伝子が関係していることもあり、それに環境要因が加味されて発症するのです。
特に、食生活が大きな原因となることが多く、大腸がんの場合、肉や動物性脂肪などの過度の摂取も一因とされています。統計的に、牛肉、豚肉、羊の肉などを多く摂取すると大腸がんを発症しやすくなります。
肉に含まれる動物性脂肪が大きく影響しているとWHOも発表しています。

 

──ストレスは万病の元といわれており、がんの原因にも数えられているようですが。

 

木下:ストレスによって、自律機能の調節を行う脳の視床下部がダメージを受けます。その影響で、調整機能が不具合を起こし、自律神経(交感神経、副交感神経)のバランスが崩れてしまいます。交感神経が刺激され、緊張を強いられるため血管が収縮し、末端まで十分な栄養と酸素が行き渡らなくなるため、免疫力の低下を招き、さまざまな病気の引き金になるのです。
また、活性酸素の影響で、細胞が傷つけられるのですが、ストレスは、活性酸素を無害化する抗酸化酵素の働きをも悪くします。抗酸化酵素で分解しきれなかった活性酸素によって、がんや生活習慣病を招いてしまうのです。
肥満も、がんの大敵です。脂肪細胞で分泌されるアディポネクチンという蛋白質は、血液中には多く存在し、傷ついた血管を修復します。しかし、内臓脂肪が増加すると、アディポネクチンは減少し、血糖や脂質で傷つけられた血管をケアすることできなくなります。大腸がんに限らず、太っている方ががんに罹り易いといわれるゆえんであり、肥満になるとアディポネクチンが減少し、痩せると増える。肥満も万病の元なんです。

 

 

 

若い女性の過度なダイエットに警鐘

木下博勝

──現在、鎌倉女子大学家政学部教授としても活躍していらっしゃいますね。

 

木下:医学・医療の基本として、内科学全般にわたる講義をしています。消化器、呼吸器、循環器、内分泌器などの特徴を解説し、さらにストレスのメカニズム、ストレスと心身症の関係性にも触れます。
また、女子学生を対象とした講義であるため、女性の一生にかかわる医学上の重要なポイントとして、幼児期から老年期に至る各年代に発症しやすい疾患とその対策なども指導しています。
もちろん、専門であるがんをテーマとする講義もしています。女性の場合、乳がんの罹患率は高いのですが、きちんと検診を受け早期に発見していれば、乳がんも大腸がんも十分に克服できるのです。
外科医として、多くの大腸がんの症例に向き合いましたが、兆候があったのになぜ検査をしなかったのか、病院にいかなかったのかと思うケースが実に多いのです。
特に女性は、男性に比較して乳腺が大きく、乳がんに罹る余地が大きいので、検診はぜひ受診してほしいと思います。

 

──女性が無理なダイエットをすると生まれてくる子どもにも影響がありますよね。

 

木下:講演でもお伝えしていることですが、母体が妊娠・出産にふさわしい状態になっていなければ、お腹の子どもにも、当然影響があります。子宮内の環境が悪いと、胎児は少ない栄養を取り入れようと一生懸命になるので、出産後もその体質は変わらず、同じ栄養を与えても、他の子どもより太りやすくなってしまうんです。
また、未熟児で生まれれば、本来備わっているはずの体の健全性が確保されなかったことになります。そのため、将来、生活習慣病に罹患しやくなると、世界中の医学上のコンセンサス(総意、一致した意見)として言われているのです。実にかわいそうなんですが、その子どもに責任はありません。すべて、親の責任です。

 

ジャガーの夫は私以外では無理

木下博勝

──奥様のジャガー横田さんとの出会いは、リングドクターを担当したことがきっかけですよね。

 

木下:先輩医師の後任として、初めて女子総合格闘技のリングドクターを務めることになります。消化器外科が専門ですが、救命救急に6年ほど携わっていましたので、選手の体調を判断して試合を止める判断などは的確にできるので、拝命したというわけです。

 

──お2人ほど、それぞれの個性を受け止め、生かしているカップルはないと思いますが。

 

木下:講演でもよく聞かれることですが、ジャガー横田のダンナは、私以外では務まらないと思います(笑)。
むこうも「アンタのかみさんは、私以外ではムリ」と言っていますね(笑)。
何もかも正反対なんですが、妻に「自分が偉いと思うんじゃない。評価は他人がするもので、自分がするものじゃない」と注意されたり、おかげで人に「ありがとう」を言う習慣が身についたりと、私を叱り、良い方向に導いてくれたことに、心から感謝しています。
妻に面倒を見てもらっているからこそ、日々を充実して過ごしていられるのだと思っています。
もし、私があまりモノを言わないような女性と結婚していたら、当然悪いところも注意してくれないので、どんどん野放図になっていたと思います。
本当に、厳しい妻には感謝しています(笑)。

 

 

 

元気なお母さんがわが国の将来を明るくする

木下博勝

──長男・大維志くん(2006年11月生まれ)が誕生するまでは、本当にご苦労なさいましたね。

 

木下:妻が子宮筋腫に罹ったとき、医師として、確率論的に見ても妊娠・出産は無理であるとあきらめかけていました。しかし、妻が「やらずの後悔はしたくない!」と決断し、不妊治療を行い、結果として、大維志を授かりました。プロレスラーらしい勇気をもって「怖いことは何もない」と言い切った妻は、本当に“男らしい”と惚れ直しました(笑)。
大維志は、おかげさまで、健康にすくすくと成長しています。私は学生時代に四書五経に親しんでいましたが、“教育パパ”なので、大維志にも論語の一節を暗唱させ、生きていくうえでの知恵として指導しています。

 

──父親になり、改めて家族とは、親とは、子どもとは、どういうものだと思いますか。

 

木下:著書『ボクに宇宙一の幸せをくれたジャガー ~ボクらの出産顛末記~』(日本テレビ放送網㈱刊)でも話していますが、お互い干渉が多くなることが家族になること、お互いに踏み込むことが家族のありかたの基本であると思います。
そして、自分が親になり、「子を持って知る親の恩」ということわざの意味を実感しました。それまでは、親が子どもを育てるのは当たり前ぐらいに思っていましたが、一児の父となり、子育てはこんなにも大変なことなんだと実感し、自分の両親に対する感謝の気持ちを新たにした次第です。
夫婦喧嘩をしても、血を分けた子どもがいると、仲直りするきっかけとなりますし「子は鎹(かすがい)」という意味がよくわかります。自分が生きていくための根拠の一つになっていますね。

 

木下博勝

──座右の銘であり、ブログのタイトルでもある「一燈照隅 万燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)」には、どのような思いが込められているのですか。

 

木下:「一つの灯りは、隅しか照らせないけれども、一万の灯りは、国全体を照らすことが出来る」という意味で、一人ひとりが自分の役割をきちんと果たすことで、大きな力となります。
若いころは、自分が医学界をリードしていくような存在になってやろうという大志を抱いていましたが、年齢を重ねるごとに、まず目の前のことに懸命に取り組むことのほうが大切であるという考えに変わっていきました。そういう小さな「一燈」を積み重ねることが、医学界、ひいては世の中のためになるのではないかと思っています。
鎌倉女子大学で教鞭をとっていることも、まさにその一つで、教え子たちは全員、将来は素晴らしいお母さんになってほしいと心から願っています。講演を通して一番伝えたいことは、子どもにとって、そして今の日本にとって、何よりも必要なのは、よきお母さんの存在です。そのお母さん一人ひとりが「一燈」なのです。
そして、日本中のお母さんたちが元気はつらつでいれば、わが国の将来を明るく照らしてくれる「万燈」となります。そんな思いも、この言葉には込められているのです。もちろん、我が家にも、非常に元気な「一燈」が輝いています。しかし、一人で「万燈」並みの勢いがありますので、実に頼もしいです(笑)。

 

 

 

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