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田中大貴 講演会講師インタビュー

フジテレビでアナウンサーとして数々の情報番組・スポーツ番組に従事し、
これまで1,000人を超えるインタビュー取材を経験。
2018年4月末に同局を退社後、みずからを「ハブ」と位置づけ、フリーとして活躍の場を広げている田中大貴氏に、
講演会で伝えていきたいメッセージや、コミュニケーションのコツ、これからの活動のビジョンなどについて伺った。  

(text:伊藤秋廣、photo:小野綾子)

■フジテレビから飛び出した理由

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――これから田中さんが講演活動を広く展開して行くにあたり、どういった方々に経験や想いを伝えたいと考えていますか?

 

田中 必要としてくださる方がいらっしゃるなら、基本、どなたでも、どのような世界にでも、というのが大前提です。
あとは、フジテレビのアナウンサー時代、「すぽると」「とくダネ」に出演させていただいていた時から変わらず、“皆さんが明日に向かう活力になれば”という想いを持ち続けているので、特に働き盛りの同世代の方々に響くようなお話ができればと思っています。

 

 

――田中さんから見て、今の30代の男性って、どういった立場や環境にあると思っていますか?

 

 田中 私自身、フジテレビという大きな組織に所属し、30代半ばを過ぎたあたりでちょうど主任という役職を拝命したように、チームを率いることになったり、組織の中で段々と重要な役割を任されたりすることが多くなってくる年代かと思います。

 

私の場合、その一方で、入社当時から考えていた“自分一人で会社の看板を背負わずに戦ってみたらどうなるのか?”という想いも大きく膨らんでいった時期でもあります。
次の世界へと一歩踏み出すのには、30代がラストチャンスだという方もいます。
市場の評価もやはり、40代よりも30代のほうが高い。
それも事実としてあります。
その時に一歩踏み出せるのか、それとも、このままお世話になっている人たちと一緒に歩を進めて、60歳までいくのか?
葛藤する時期ですよね。

 

私はチャレンジをするほうを、ある意味リスクを取りましたが、そういった葛藤の渦中にいる方々に、ちょっとでも響くような、そんなお話ができたらいいですね。

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――大きな看板を捨ててしまうのって非常に勇気がいりますよね。

 

田中 社内の先輩や後輩にも同じことを言われましたし、一緒に仕事をしていた社外の方々からも心配のお声をいただきました。
でも、私自身、看板を捨てたつもりはまったくないですし、正直、看板がなくなったからどうなるのだ? という話にもピンと来なかったんですね。

 

結局、自分の中ではフジで15年間やってきたことが膨張して、もっとやりたいことが大きく、強くなったから卒業をしたわけで、継続している感覚はありました。

 

 

――フジテレビを退社して、チャレンジしようと考えたのは、どのようなきっかけがあったのですか。

 

田中 新しい世界に飛び込むのは男女、年齢問わず誰もが不安だと思います。
ひとつの仕事にかけてきた時間が長くなればなるほど、その不安が大きくなるのは間違いなく、私自身も、まったく不安がなかったわけではありません。

 

私が一歩踏み出すきっかけとなったのは、ボクシングの村田諒太選手が世界チャンピオンになられた際に、インタビューをさせていただいて伺った言葉でした。

 

当時、私はずっと村田選手の取材を続けてきていて、視聴者の皆さんに“彼のようにもっと挑戦をしましょう”というメッセージを送り続けていました。
でも、そう言っている私自身が挑戦しているのか?
という歯がゆさがあったのも確かだったんです。

 

そんなときに、村田選手へ「タイトルマッチにチャレンジすることは怖くなかったですか?」と聞いたんですね。
そうしたら彼は「怖かったです」と正直に答えてくれた。
でも、こう続けたんです。
「怖いのは、踏み出すその瞬間が怖いのであって、一歩踏み出してしまえば、後はチャンピオンになるという目的に向かっていくだけなので、怖さはなくなりました」と。

 

それを聞いた時に、私もこの今を怖がっているだけで、一歩踏み出せば、その恐怖というのは自分が想像していた以上に小さなものになるのではないか、やりたいことに向かっていくパワーのほうが大きくなるのではないかと思いました。

 

村田選手が語った真理を私自身も感じたいと思ってフジを退社し、広い世界に飛び出してみることを決めたんですね。

 

 

 

■コミュニケーション力の高め方

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――コミュニケーションに関するご講演をされていますが、ビジネスパーソンにとって必要なコミュニケーションスキルはどのようなものでしょうか。また、コミュニケーションが苦手だという人には、どのようなことを伝えますか?

 

田中 基本的には、人と会話をしたりプレゼンテーションを得意としたりする人間なんていないですよ、とお伝えしています。
「しゃべるのは好きですか?」という質問を10人にしても、おそらく「好きです」と答えるのは1人か2人。
質問を変えて、「では、気の知れた家族や友人、恋人としゃべるのは?」と聞くと、皆さん急におしゃべりになる。
それは心を許している相手だからです。
その瞬間に、しゃべるのが好きになるんです。

 

であるなら、初めての相手に対して商談やプレゼン、挨拶をするのは基本的には負担になるわけで、相当なストレスを抱えながら話すことになります。
結局、はたから見て、しゃべるのが得意な人や、プレゼンが得意な人であっても、相当なストレスを抱えながら、かなりのパワーを使っているということを理解したほうが良いと伝えています。
いつか、そのストレスを抱えながらも心が解放できるレベルにまでもっていけば、「しゃべるのが好き」という表現になるんです。

 

もうひとつは、“会話をしなくちゃ”“コミュニケーションしなくちゃ”と思うから、ものすごく大変な作業に思えてくるわけで、実はコミュニケーションって、しゃべることがメインではなく、聞くことからスタートするんですよ。
聞き上手な人が会話上手なんですね。
聞くことから始めれば会話は自然と流れていきます、という話をすると、皆さん、少し楽になるようです。

 

赤ちゃんもそうですよね。
まずはお父さん、お母さんの話や周囲の物音を聞いてインプットして、はじめて発声することができる。
人間のコミュニケーションは、聞くことから始まっているんです。
話すことから始めて、聞くようになるというルーティンではありません。
動物学的に見ても、聞き上手こそ会話上手ということが理解できると思います。

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――そういったお話は、これまでの経験の中から生まれてきたのですか?

 

田中 私自身、子どもの頃からずっと野球しかやってこなくて、アナウンサーに必要な資質はほとんどゼロの状態から社会人生活をスタートしました。
何の知識もノウハウもありませんでしたが、今こうして、ここに至るのは、たくさんの打席に立たせていただいたからだと思っています。
立てば立つほど勘は冴えていくし、データが蓄積されるので、予想もできるようになります。

 

 

――たくさんの素晴らしい方々をインタビューしてきて、それが自分の中に蓄積されていった?

 

田中 色々な人の話や考え方を聞いて、動きを見て、感じてきた子どもたちほど、自分の未来が見えると思うんです。
私の場合、近所にグリーンスタジアム神戸があって、そこで活躍するイチローさんの姿を間近に見てきたことで、自分の未来を想像することができるようになりました。

 

東京にいると競技場はもちろん、舞台だって本物を見るチャンスがたくさんありますが、地方はそういうわけにいきません。
若い人が本物を見るチャンスが少ないですから、それをたくさん発信してあげたいと思うんです。

 

たとえ実際に見に行けなくても、自分でリーチしてたどり着くことができれば、自分の未来を想像することができます。
そういう要素を発信することは非常に意義があることです。

 

フジを退社するにあたっては、自分の中に蓄積されたものをできるだけ多くの場所に発信して、それを自分たちの生活に落とし込めたり、自分たちの未来を想像できたりという風になっていければ、自分が独立した意味もあると、そう考えていました。

 

そのためには地上波だけでなく、BSやCS、ネット通信であったり書き物であったり、イベントであったり、講演もそうですが、あらゆるツールを駆使して発信していきたいと考えています。

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――子どもたちに伝えたいこともたくさんありそうですね。

 

田中 そうですね。あとは子を持つ親御さんにも響けばいいなと思います。

 

伝えたいこととして、例えば、イチローさんと松本人志さんって、ともにものすごいことを成し遂げられていますが、面白いことに、お二人とも同じようなことをおっしゃっているんですね。

 

イチローさんは小学校一年生の時にお父様から「一日一本、センター前ヒットを打ちなさい」と言われて、これまでずっとそれをクリアしようと心掛けてきた結果、メジャーリーガーとして世界最多安打を打つまでに至りました。
だから、小学校一年生の時から何ら気持ちは変わっていないと、気が付いたら舞台が大きくなって周囲から評価を得るようになっただけだとおっしゃる。

 

一方の松本さんも、小学校3年生の時の席替えで隣の席に好きな女の子が移ってきたから、笑わせようと考えたのが始まりだったそうなんですね。
その子に笑ってもらえたら嬉しくて、毎日続けていたら、どんどん舞台が大きくなっていって、映画をつくったり、MCをやるようになったり、お笑いの世界では大物と認識されるようになったけれども、小学校3年の時から気持ちは何ら変わっていないとおっしゃるんです。

 

お二人とも、同じことをずっと続けてきた結果、周囲からの評価が高くなったけれども、ご自身としては大したことをやっていないと認識している。
そういう話を伝えていきたいですね。

 

要するに、自分がハブになれば良いと思っているんです。
自分が持っているものなんて何もないですが、得てきたものや出会ってきた人、感じてきたものは時代の最先端だったり、ホットなことだったりしたので、自分がハブになって、皆さんの人生にプラスになるようなものをお渡しできればと思っています。

 

 

 

■モチベーションを高め、維持する秘訣

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――「モチベーションを引き上げる言葉力」というテーマでも講演をされていますが、仕事などで、思うような結果が得られず自信をなくしかけているとき、自分に向けてどのような言葉が有効でしょうか?

 

田中 「モチベーションを維持しなさい」というのは、すごく難しい表現で、遠くを見すぎると重たくなるし、目標を設定すると“クリアしなくてはいけない”という観念にさいなまれてしまいます。

 

今、自分の夢がない、目標を失っている人がどうしたらいいか?
そういう人たちって比較的、今を生きていなかったりすると思うんです。
さっきのイチローさんや松本さんの話にも通じますが、今を生きて、今やることを積み上げていくことで最後に大きなものになる、という考え方が必要ですよね。

 

目の前にあって、今、クリアしなくてはいけない課題を一つひとつ乗り越えることがモチベーションになるし、それを積み上げることで何かを成し遂げている人がたくさんいることを伝えたいですね。

 

 

――会社とか、組織から押し付けられた目標に対しては、どう向かうべきでしょうか?

 

田中 何かを売る、例えばこのボイスレコーダーを売るときにはまず、自分がものすごく素晴らしいものを売っていると思えれば、モチベーションはあがります。
逆に魅力を感じなかったら苦痛でしかありませんよね。
どうしても魅力を感じなかったらどうするか。
そのときは、魅力的なものに見えるように、外部環境を変えるという考え方があります。

 

例えば、ツイッターやインスタで話題になれば、このボイスレコーダーが魅力的なモノに映ってくるかもしれません。
どこかの居酒屋でたまたま隣に居合わせた人の評価によって、自分が売っているものに自信が持てるようになるかもしれない。
発想を転換することで考え方は変わってくるし、そうした機転を養うことで、目の前の何でもない商材がちょっと違ったものに見えることもあります。

 

あとは、色々な人に会うことも有効ですね。
モチベーションを向上させるためのヒントや情報を持っている人は世の中にたくさんいますから。
ずっと限られた場所にとどまって、毎日決まった人に会っているだけでは、得られる情報は限られてしまいます。

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――色々な人からモチベーションの種をもらうという感覚でしょうか?

 

田中 そうですね。
インターネットやWEB媒体が進化して、たとえ人と会わずに仕事ができるようになろうと、最終的に物事を決めるのはFace to Faceです。
ビジネスもそうですよね。
どんなにメールやメッセンジャーでやり取りをしようと、最終的には顔を合わせて、「よろしくおねがいします」と握手をして信用をしてもらえる。
これは未来永劫変わらないと思うんですよね。

 

最近は、バーチャルで不動産物件を探すことができて、観光やスポーツもそうですが、あらゆることがネット上で完結できる、そんな時代になりつつあります。
でも、バーチャルが膨らめば膨らむほど、人は本物を見たくなるんです。
現場に足を運びたくなるんですよ。

 

 

例えば、高校野球。
ネット中継で第一回戦の第一打席からすべての試合を見ている人は、結局、最後は“甲子園に行ってみたい”と思うようになります。
情報が膨らめば膨らむほど興味も膨らんでいって、リアルな体験を求めるようになるのが人間の習性です。

 

ですから、アーティストのライブもそう。
セミナーや講演もそう。
書籍やネットの文章を読んで共感を覚えると、最後には実際にセミナー会場に足を運んで、その作者の生の声を聴きたくなるんです。
ますます、そういう時代になってくると思うんですね。
イベント、講演、試合、旅行、どんどんリアルの価値が高まり、リアルに触れたいと考える人が増えていくと確信しています。

 

 

 

■田中大貴という一人の人間として

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――これまで数多くのアスリートを取材されていますが、特に印象に残っている方や、印象に残っている言葉はありますか?

 

田中 これはラーメンと一緒で、その日の体調やお腹の空き具合で美味しく感じる店が違ってくるように、自分の心理状態やその時に求めているものによって、心にしみる言葉や印象は変わってくるんです。

 

もちろん著名な方、第一線を走っている人たちには自分の言葉が宿っていらっしゃいますから、本当に皆さんのお話は良いんですよ、基本的には。
でも、その一方で、街頭インタビューに答えてくれた大阪のおばちゃんの言葉が意外としみることもあるんです。
ですから、その時々によって、自分に必要な言葉であったり、人であったり、シチュエーションというのは変わるのだと思います。

 

 

――東京オリンピック開催年も目前に迫ってまいりました。現在、特に注目されているアスリートはいますか? またその理由を教えてください。

 

田中 個人的に注目しているのは、やはり野球ですね。
自分も子どものころから選手としてやってきましたし、アナウンサーになってからも、色々な選手を取材して視聴者に伝えてきましたから、特別な思い入れがあります。

 

中でも、現在43歳の上原浩治選手が45歳になって、3度目のオリンピックにチャレンジする姿は見てみたいですね。
それくらい貴重なアイデンティティを持っている方だと思いますし、日本に帰ってきて、オリンピック出場の可能性が出てきましたし、あれだけ多くの世界大会の舞台を踏んでいる方ですから。本当に条件は揃っていると思っています。

 

 

――上原選手のどういった言葉や姿勢が、田中さんにどのように刺さったんですか?

 

田中 いつも言われるのが、「誰に会おうと、どういう状況になろうと、どんな心境であろうと、自分は変わらない。この人に合わせてこうするのではなく、常に自分はこうである」という言葉。
これは、高橋由伸監督も同じことを言っていますが、松井秀喜さんから教わったと聞いています。
確かにお二人は変わらない強さを持っていますよね。

 

会社に務めていると、上司から「自分を変えていかなくてはだめだ」と、「そうでなければ、この状況は乗り越えられない」と、どこかで植え付けられてしまいますよね。
これだけ変化が激しい時代ですから、逆に変わらないほうが難しかったりする、そんな世の中です。

 

でも変わらないことが成長につながることは、イチローさんや松本さんの話からしても明白です。
私自身も皆さんのお話を聞いて、変わらずにいつづけることで得る成長のほうが大きいのだということを発見しました。

 

 

田中大貴 講演会講師インタビュー――田中さんのお話を伺っていて思ったのですが、こうして、これまで触れてこられた皆さんの良い言葉を抽出して、さらにわかりやすく伝えてくれるから、私たち視聴者に刺さる。やはり「ハブ」って重要な存在ですね。

 

田中 ハブになれれば、色々な可能性を生み出すことができると思っています。

 

例えば、大谷翔平選手にインタビューできる、その1時間を独占でもらえますという話になったとします。
局アナ時代に思っていたのは、大谷選手にとってこの一時間は、自身のパフォーマンスを上げるためにとても大事な時間です。
私たち放送局側にとっても、ものすごいことだし、その話を聞きたいと思う人の数も膨大です。
でも、放映するのはスポーツチャンネルの中の数分の尺でしかない。
ファンの観点からすれば、この一時間というインタビューの時間をフジのカメラだけでなく、インターネットで中継したり、雑誌や新聞、BSでも発信すれば、本当にたくさんの、その話を求めている人にリーチできるはずです。

 

 

それが選手に対する最大のリスペクトだと思うし、現在、フリーになった私がハブとして、そういった複数のツールや発信できる場所を持っていれば、大谷選手という素晴らしいプレイヤーの魅力をもっとたくさんの人に伝えることができます。

 

そのように複数のメディアが競合するのではなく、相乗効果でシナジーを生んでいこうというのが、これからの私の重要なテーマになっているのは確かです。

 

 

――最後に、フリーアナウンサーとして、これからチャレンジしたいと思われていることはありますか?

 

田中 フジに勤めていたころはキー局の“アナウンサー”という肩書で生きてきましたが、こうして会社を出て独立してからは、“アナウンサー”という仕事は私という人間のひとつの構成要素でしかないと考え、周囲にもそう伝えてきました。

 

ジャーナリストでもあり、スポーツアンカーでもあり、講師でもあり、取材する人間でもあり、物を書くライターでもある…。
田中大貴という一人の人間の一要素として“アナウンサー”という仕事があると、そういった意識で、これからも幅広い仕事にチャレンジしていければと思っています。
フジのアナウンサーだったことを皆さんから忘れてもらえるのは、正直、ハードルは高いかもしれませんが、そこにトライする価値はありますね。

 

 

 

 

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