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C.W.ニコル
(しーだぶりゅー にこる)

作家/環境保護活動家

1940年、英国ウェールズ生まれ。1995年日本国籍取得。
世界の様々な国で、自然に関わる仕事に従事した後、80年に、長野県黒姫に居住。
作家として執筆活動を続けるとともに森の再生活動を実践するため、荒れ果てた里山を購入。
その里山を“アファンの森”と名付け再生活動を始める。

 

講演では、あらゆる生物が豊かに暮らせる森に蘇った“アファンの森”の生態系を整え、環境を保全する活動を通して、自身が得た経験と再認識した自然の大切さを語り、その多様性あふれる森で、子ども達の未来の心、人の心も育み続けている。

主な講演テーマ

「人と自然の共生」

日本は、北に流氷、南にさんご礁がある世界でも稀な国です。
また、高い山脈、複雑な海岸線があり、そこに住む生物の多様性は本当に素晴らしい。
この豊かで美しい自然が、多様で繊細な文化と勤勉でやさしい日本人を創ったのだと思います。

 

しかし、その貴重な自然環境は高度成長の時代と共に失われて行き、また現在も地球の気候変動により大きく変わろうとしています。

私は、25年前から長野県の黒姫山麓で森の再生事業を手がけて来ました。
荒れ放題で、地元の人が「幽霊森」と呼んでいた里山や人工林を購入して、間伐や笹刈りをし、もともと生えていた木を植えています。

 

今では、植物が600種以上、鳥が70種以上、 そのうち絶滅危惧種が23種生息するようになりました。

自然は、人間の汗と愛情に応えてくれます。

また、健康的な自然環境は、温暖化などの地球の変化による影響を 最小限に抑える能力を持っていると思います。

この国の自然の多様性は、未来の可能性なのです。

今日は、皆で自然の声に耳をかたむけて下さい。
森を通して未来をみて下さい。

 

講演会では、ニコルの造った「アファンの森」の映像をご覧いただきながらお話を致します。

アファンの森の写真 (c)THE C.W NICOL AFAN WOODLAND TRUST

[写真1]サワグルミ(クルミ科 落ち葉高木)
[写真2]森の入り口(1)
[写真3]森の入り口(2)
[写真4]ムササビ(撮影:川崎公夫)
[写真5]左:フデリンドウ/右:紅天狗茸
[写真6]マミジロ(撮影:川崎公夫)

 

「森から未来をみる」

樹齢を重ねた森の木々が次々に切り倒され、川はコンクリートのせいで変わり果てた姿となり、湿地はゴミで埋め立てられそれを尻目に人々は、金儲けに 目の色を変えていた

――心から愛する日本の行く末に心底、絶望しかけてた。

そんな時期に生まれ故郷の英国ウェールズの「アファン・アルゴード森林公園」で、森の再生にかける人々の努力と情熱を目の当たりにし,自ら荒廃した森を購入し、自然を取り戻し、生態系を整えるための活動を始めました。

そう思うことで心に穏やさが訪れ、名実ともにこの国の一員となれたと感じているC.W.ニコルが豊かな森が育む心を、100年後の森のために今できることをお伝えします。

アファンの森の写真 (c)THE C.W NICOL AFAN WOODLAND TRUST

[写真1]整備前(撮影:南健二)
[写真2]整備後(撮影:南健二)
[写真3]左:フデリンドウ/右:紅天狗茸
[写真4]マミジロ(撮影:川崎公夫)

 

 

ココがオススメ!

作家・C.W.ニコル氏は、長野県黒姫山の麓に居所を定め、主に自然保護や環境問題を扱った作品を数多く発表しています。
四方を海に囲まれ高い山々が連なる日本の国土は、多様な生物が溢れています。
それが自然と共生しようという日本人のメンタリティーを創ったとしているニコル氏。

 

自然環境の保護活動でも知られており、1986年には黒姫高原の荒れた里山の一部を購入し「アファンの森」と自ら名づけ、里山の再生運動を展開。
間伐や笹刈りを施し、現在は植物が600種以上、絶滅危惧種23種を含む70種以上の鳥、1000 種以上の昆虫が生息するようになったとしています。
2002年には「財団法人 C.W.ニコル・アファンの森財団」を設立し、これまで以上に、生態系を再生するために森林の復元に注力しています。

 

 

ニコル氏は講演で、「人と自然の共生」「森から未来をみる」などをテーマに語ってくれます。
「ウェールズ系日本人」と称し、国籍を変えてまで日本を愛するニコル氏。
日本の森の荒廃ぶりに触れながら、時には厳しい指摘も。

 

日本に来て人生が変わったというニコル氏は、「私は日本人だから、自分たちの大切な森を守る」としています。
現代の日本人が忘れてしまっている大切なものを、ニコル氏の講演、トークショーから気付くことができるのです。

主な経歴

1940年 7月17日 英国ウェールズ生まれる。
1957年 17才でカナダへ渡り極地探検を行う。その後、カナダ水産調査局北極生物研究所の技官として、海洋哺乳類の調査研究にあたる。
1962年 空手の修行のため初来日。
1967-1969年 エチオピア帝国政府野生動物保護省の猟区主任管理官に就任。シミエン山岳国立公園を創設し公園長を務める。
1972年 カナダ水産調査局淡水研究所の主任技官、また環境保護局の環境問題緊急対策官として、石油、化学薬品の流出事故などの処理にあたる。

1980年 長野県黒姫に居を定め、以降、執筆活動をしている。
1986年 森の再生活動を実践するため、荒れ果てた里山を購入。その里山を「アファンの森」と名付け再生活動を始める。
1995年 日本国籍を取得。
2002年 「アファンの森」での活動や調査等をより公益的な活動を全国展開するために、「財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団法人」を設立し、理事長となる。
2005年 英国エリザベス女王陛下より名誉大英勲章を賜る。
2008年 英国チャールズ皇太子殿下と高円宮妃殿下がアファンの森をご視察。

 

【アファンの森】

大好きな日本の自然とともに生活できるのだと楽しみにしていたC・Wニコルは、悲鳴をあげた森の姿に驚きました。

人間の都合に合わせた自然につくりかえられてしまい、野生動物を棲まわせたり、水をきれいにしたり、土をつくったりする豊かな力を失っていたのです。

 

一見緑に覆われているように見えながら、 生態系としてのバランスを崩してしまった日本の森をなんとかしたい。 美しかった本来の日本の森に戻したい。
そんな気持ちが高まっていたころ、C・Wニコルは、 自分の故郷のウェールズで、荒れ果てていた森が、 緑を回復しようとする人たちの運動によって、みごとによみがえったことを知ります。
「僕も絶望ばかりしていられない。 小さなことからまじめにやれば、日本でも必ずできることがある!」

 

荒れ果てた土地を自分のお金で少しずつ買い集め、 森の再生への挑戦が始まりました。
それは容易な道ではなく、「外国人が幽霊森を買い始めた」と不気味がる周囲の理解を得ること、一人ではできない膨大な作業、その土地への詳しい知識・・・
問題は山積みでしたが「美しい森を蘇らせたい」と時間をかけて話をし、協力してもらいながら、すすめていきました。

 

そして、C・Wニコル一個人の思いからはじまった活動に共鳴する人たちが集まり、 約30,000坪の森は、その本来の能力を取り戻し、あらゆる生物が豊かに暮らせる森に蘇っています。

 

この森を里山再生のモデル林として、今後も里山における生物多様性の調査や里山からの恵みに関する生産性の調査、人と自然のバランスに関する調査研究を続け、その成果をこの森から生まれる果実として長野県のために役立てることを望み、アファンの森をより公益的なものとするために森や関係する資産を寄付し、2002年5月31日に「財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」を設立しました。

 

「このアファンの森をこのまま永遠に残してゆくこと」
「豊かな森の存在意義を伝え続けること」
を使命に、その多様性あふれる森で、 子ども達の未来の心、人の心も育み続けています。

 

【主な委員就任経歴】
1993年~ (財)屋久島環境文化財団特別顧問
1994年 内閣官房「21世紀地球環境懇談会」委員
1995年~ 学校法人東京環境工科学園理事・実習場長
1997年 内閣官房「子どもの未来と世界について考える懇談会」委員
2002年 内閣府「未来生活懇談会」委員
2003年~ 東京都 エコツーリズム・サポート会議委員
2003年~ 環境省 エコツーリズム推進会議委員
2005年~ 京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授

 

【受賞歴】
2000年 原作『風を見た少年』がアニメ化され、第45回アジア太平洋映画祭アニメーション部門でグランプリ受賞。
2002年 『裸のダルシン』が児童福祉文化財の推薦を受ける。
2005年 英国エリザベス女王陛下より名誉大英勲章を賜る。

主な著書

『私の自然生活 (C.W.ニコルの世界)』
四季折々の豊かな自然に恵まれた日本の魅力は、多くの日本人は見失いがちでありますが、日本人以上に日本を愛している著者が、自らの経験をもとに日本における自然生活の素晴らしさを伝えているエッセイです。
帰化し日本人となっても、元外国人らしい客観的な視点を持ち続け、多くの日本人が見失ってきた日本の自然の魅力を冷静に見つめています。アウトドアライフの達人が、単に自らのライフスタイルを紹介しているのではなく、日本人と自然との正しい付き合い方を取り戻してくれる一冊です。

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