藤巻幸大 講演会講師インタビュー

Speakers.jp Interview Vol.17 「仲間」株式会社シカタ 代表取締役プロデューサー 藤巻幸大

 大学を卒業後、伊勢丹に入社。「バーニーズ・ジャパン」のレディースバイヤーを経て「解放区」、「リ・スタイル」、「BPQC」などを立ち上げ、カリスマバイヤーとして知られるようになる。
 その後は、2000年に伊勢丹を退社、福助株式会社の代表に就任、株式会社セブン&アイ生活デザイン研究所代表と歴任、「人生は振り幅が大きいほど面白い」と豪快に話す。
 現在は、株式会社シカタ代表取締役プロデューサー、株式会社テトラスター代表取締役、株式会社ビーバイイー社外取締役、株式会社トランジットジェネラルオフィス特別顧問など多くの肩書きで全国を精力的に飛び回っている。また一方で、大学の特任教授として教壇にも立ち、さらに多くの講演活動や執筆活動も。幅広い活躍の理由については、“無所属・無派閥”ですからと笑う。
 「人と人をつないだり、フレームワークを作るのが得意ということが50歳を過ぎてわかってきた」と語る。藤巻さんの歴史やポリシー、そして現在の自身の役割についてうかがった。

(text:三宅扶樹、photo:小山幸彦)

もともとは、身体が弱くてさびしがり屋

“カリスマバイヤー”“独特のリーダー論”など、藤巻さんの人柄や仕事ぶりを表現する言葉がいくつかありますが、原点はどのようなことだと思っていますか?
藤巻幸大

藤巻:小学校の低学年のころは身体も弱くて、外で遊ぶこともあまりなかったんですが、小学校の4年生くらいかな、草野球をして本当に楽しかったし嬉しかった。
 自分を可愛がってくれるお兄さんみたいな人がたくさんいたんです。それが僕の原風景。年上の強い人間が僕と遊んでくれて守ってくれて。一人でさびしい思いをしていた僕を救ってくれたという感じかな。
 それから、仲間を作ること、みんなで何かすることの楽しさとか、そういうことを意識するようになった。子どもだからその頃は具体的にはわからなかったと思うけれど、大人になった今でもそれが原点。あのころ守ってくれたお兄さんたちに恩返ししている気持ちで、仕事をしていますね。

お父様にも影響されているとか。
藤巻幸大

藤巻:いい意味で欲のない人でした。でも、大きな夢に向かって生きていた。父がよく言っていたのは「人生で大切なのは3つ。健康でいること、話し相手を作ること、身の丈を知ること」。これは、いま本当に身にしみてよく理解できます。そして、この3つを守るためには「焦らないこと」、「人に感謝すること」。
 人としては当たり前のことなのですが、現代はルールに縛られてかえってこれが難しい世の中になってきていますね。大人がマナーをきちんと教えれば、ただそれだけでいいと思うんですが。
 さらに雑誌なんかで「成功するには」みたいなことがよく特集されていて、そこに必ず「年収いくら」とかそういう話が出てくる。でも、人生は「稼ぐ」ことではないと思うんですよ。結果より経験です。
 そのプロセスの中で仲間と何かやり遂げる楽しさ、本音で本気でぶつかる素晴らしさを感じることができる。とにかく人と出会って一緒に夢を見ることが大切だし、大人が若い人に教えることは、ルールではなくこういうことだと思うんです。
 29歳で獄中で斬首刑になる吉田松陰が松下村塾で言った言葉、「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、故に、夢なき者に成功なし」。
 焦って目先のことにとらわれず、仲間と一つ一つやり遂げていくことが、自分もハッピーだし、人をハッピーにもさせるんじゃないのかな。

すべてを笑いに変えていく

藤巻さんのお話、よくわかりますけど、でも現実はなかなか難しいです。
藤巻幸大

藤巻:僕もたくさん失敗しました。でも失敗すればするほど、自分と向き合うことができるし相手のことも考えられるようになるんですね。
 でも、絶対に人のせいにしない。そして、できるだけ楽しく考える。ちょっと極端な話だけど、体調を壊して入院したことがあって、ベッドで寝ている間「ここを海だと思おう」と決めて、海に浮かんでいて、毎日いろいろな女性が会いに来てくれる、これは看護師さんなんだけど(笑)、でも、そう思ったら楽しいじゃない。スマイルとセンスが大切ですよ、何ごとも。
 不平や不満をぷんぷん言っているより、大事なことや大切な人のことを前向きに考えた方がいいと思いませんか?笑顔で誰かを想う方が健全ですよね。
 草野球を一緒にしてくれたお兄さんたちだけでなく、僕は僕に影響を与えてくれた人、人生の大切なことを教えてくれた人、今でもよく思い出して感謝しています。そうすると自然とハッピーな気持ちになる。
 そして、一方では美意識を持つことも重要じゃないかな。仕事を楽しくするためにも、五感を磨くことは大事。美術館に行ったり、映画を観たり、いい音楽をたくさん聞いたり。そういうことがボディブローで少しずつ効いてくるんだと思います。そしてまた仲間とそんな話をして個性を認め合う。100人いたら100人の個性がありますから。

僕たち大人が本気にならなければ、若い人たちは育たない

仲間と言っても人数が増えるといろいろな人がいて、ウマが合う人も合わない人も出てきませんか?
藤巻幸大

藤巻:僕はフレームワークを作るのが得意だから、今はいろいろなことを横に展開させたり、人と人とをつなぐことをしています。確かに僕もいつもいつもすべての人とウマが合うわけではないかもしれない。
 でも、そこは役割だと思います。リーダーがいちばん偉いとかいちばん上だから絶対だとかそういうことではなく、それぞれの役割を分担しているだけですよね。 僕が直接叱らない方がいい人もいるし、僕に叱られて本気になるという人もいます。 でもね、その人の人格は絶対に否定しない。仕事の仕方やレポートに対して注意しても、その人自身を否定することは、絶対にいけないと思うんです。
 経験が少ないから、そりゃあ失敗もある。僕ら大人だってみんなそうだったんだから。若くて経験の少ない人がダメなんじゃない。もし、若い人でちょっとダメだなあと思う人がいたら、それは周りにいる大人が悪いんです。
 福助で社長になったとき会社はひどい状態でした。老若男女、誰も何もやる気もない。若い人は、まわりにいるベテランがそんなんじゃ、「やる気って何?やってどうなるの?」って戸惑いますよ。だから、会社でも組織でも、仲間でも悪いのは大人です。いい若い人を育てるには、僕たち大人が本気を出さなきゃだめなんですよ。
 後回しにせず、“今”を大切にしている大人を見れば若い人は何か感じることがあるはずだし、そういう少しのきっかけで人は大きく変われると思うんですよね。

結局、最後は「人」。人がいなければ何も始まらない

小さいころのお話を含めて藤巻さんは「人」が心からお好きなんですね。
藤巻幸大

藤巻:最初の話じゃないけど、さびしがり屋だからね。そして、子どもの頃僕を救ってくれた人がいたように、僕もそういう人になりたいと思う年齢になってきましたね。誰かを助けられる人間になりたい。立派な人間じゃないから立派なことをして立派な大人になった“ふう”でも、そういう60歳を迎えたいと素直に思うし楽しみでもあります。
 伊勢丹をはじめ大きな組織にもいましたし、今でもいろいろな組織の方と関わりを持つことが多いけれど、すべては「人」だと思うんです。大きな組織にいても僕を助けてくれたり、見ていてくれたのは組織じゃなくていつも「人」でした。時にはケンカもしましたけれど。
 日本はまず組織を作って、仕事を作って、そこに人を集めようとするけれど、僕は逆だと思います。まず「人」「仲間」。その中でコミュニケーションが生まれて、仕事になっていくんじゃないかな。組織はいちばん最後でいい気がします。
 「ハッピー」や「スマイル」も自分の中にあれば、人をハッピーに、スマイルにすることができる。それが嬉しくてまた人に会う、話す。そういう中で仕事も自然に分担が決まっていくのだろうし、夢から成功へみんなで向かっていくのが人生の醍醐味じゃないのかな。

最後に、あらためて藤巻さんが講演会で伝えたいこと、そして今後の夢について聞かせてください。
藤巻幸大

藤巻:講演会でもとにかく「仲間、人を大切にすること」に尽きるということを伝えたい。そして、急がないこと。
 リーダーという役割を与えられたら、それは、やるべき分担をそれぞれがどうやっているのかを監督することで、細かく口を出すことではない。でも最後は責任をとる。急がず任せることが大事。仲間を信じてコミュニケーションをとっていればそれは自然とそうなっていくのではないかな。
 それから、今後は、日本の商品に特化した百貨店のようなことをやろうと思っています。メイドインジャパンのモノや地方の職人さんの技を日本に世界に紹介したい。まずは通販からのスタートかもしれないけれど、最終的にはリアル百貨店も作りたい。僕の得意な横の展開やたくさんの仲間で準備中です。講演を通じてまた仲間が増えるといいですね。

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