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吉川美代子 講演会講師インタビュー

早稲田大学教育学部を卒業し、1977年にTBSへ入社。以後37年間、アナウンサー、キャスターとして活躍。TBSアナウンススクール校長も12年間務め、2014年5月に定年退職。現在は、コメンテーターとしての活動や様々な講演会の講師としても注目を浴びている。TBS初の女性キャスターとして報道に関わった頃のエピソードや、女性管理職としての経験、定年後の現在の心境などを伺った。

(text:三宅扶樹、photo:吉田将史)

“伝えたい”という欲求がモチベーション

吉川美代子──吉川さんがアナウンサーになられた1977年頃は、TVの現場は今とはだいぶ違いましたか?

 

吉川美代子:私がTBSに入社したころは、“女子アナ”という言葉もなく、女性のアナウンサーはワイドショーのアシスタントや天気予報を伝えるのが役目でした。バブルになってからアナウンサーがタレントのように扱われるようになりましたが、私は報道の現場にいましたので、情報をきっちり伝えるということに真摯に向き合っていました。

 

──TBS初の女性キャスターということで、プレッシャーはありませんでしたか?

 

吉川美代子:女性のくせにという空気はありましたから、失敗はできないという気持ちは強くありました。それに、前例がありませんから、私が見本にならなければという思いも強かったですね。円形脱毛症や神経性胃炎になったりしていましたよ(笑)。

 

──TBS初の女性キャスターということで、プレッシャーはありませんでしたか?

 

 吉川美代子:報道の醍醐味は、いちばんはじめの情報に触れられるということ。そしてそれを生放送で伝えられるということです。今はインターネットなどでタイムリーな情報が誰でもどこでもとれますが、でも情報は日々刻々と変わりますよね。それに触れられる、それを伝えられるというのは大きな魅力でした。伝えたいという欲求がありましたし、そういう欲求が高い人に向いている仕事だと思います。

 

 

キャリアを振り返って

吉川美代子──退職された現在から、これまでのキャリアを振り返るといかがですか? 

 

吉川美代子:私はひとつの組織の中に技術職として勤めていましたので、異動というのがなかったんです。基本的には同じ会社で同じ仕事をずっとしてきました。でも、20代~50代で見えてくるものは全然ちがいました。

20代は常に“私”が主語で、自分のことで“いっぱいいっぱい”です。視野がとても狭い。でも、だからこそ、前に前に行くエネルギーがあります。30代になって後輩や部下ができ、40代になって管理職になると、アナウンス部全体や会社全体のことを見られるようになり、視野がグンと広がりました。ひとつの会社、ひとつの仕事でも見えてくるものは変わってきます。

 

──現在、アナウンサー以外の様々な仕事にも携わられていますね。

 

吉川美代子:組織から離れ、“個”として色々なことに関わらせていただいていますが、新鮮です。小・中・高校と放送部でマイクの前に立って楽しくて仕方なかった頃のことを思い出したりします。視聴者としてTVを見ていたときの純粋な気持ちが取り戻せたかなということもありますね。また、報道部時代は毎日が臨戦態勢でしたが、今はそういったプレッシャーがなく、自由だなと感じています。

 

──この先、どのような活動をお考えですか?

 

吉川美代子:急速に言葉が乱れていることに危機感を感じる一方で、「乱れている」というよりも、「変化している」と考えた方がいいのではないか、とも思っています。でも、せめてアナウンサーやキャスターという肩書きがある方々には、正しい発声や言葉使いを勉強して欲しい。正しい発声や品のある言葉を教える指導者の育成をしたいと考えています。悪いところの指摘をできる人は多いけれど、それを個々にどう直せばよいのかを示せる指導者を育てたいですね。

 

 

頭で考えた理論でなく、リアルな言葉で伝えたい

吉川美代子──最近は、講演も沢山されていますが、どのようなお話が多いのでしょうか?

 

吉川美代子:大きくは2つあります。ひとつは「コミュニケーション」ですね。経営者の方や若い社員の方、それから地域のお年寄り向けなど、対象は色々です。
例えば、男性上司と女性の部下とのコミュニケーション。女性は細かい言葉のニュアンスを気にするんですね。ちょっとした言葉尻やちょっとした言い方のニュアンスが女性と男性とでは捉え方が違うので、男性の部下に話すのと同じような言い方ではなく、その表現方法に注意することが大切です。

もちろん、コミュニケーションについての実用書は書店にもたくさん並んでいますし、正解はないですから、ご自分に合ったものを取り入れられたらいいとも思います。
一方で、私の講演の特徴は、「私の声で伝えている」ということです。私は長年の経験、多くの失敗や成功体験がある分、ひとつの言葉を発することの大切さ、醍醐味、そして恐ろしさを知っています。頭で考えた理論ではなく、自分の存在意義をかけて言葉を発してきたという自負があるので、リアルでダイレクトな言葉でお話しています。
TVとは違い、目の前にお客様がいらして自分の考えを話す。その反応を直接感じられるのには、楽しさとともに、やりがいを感じています。編集もないですしね(笑)。

 

──もうひとつは、どのような講演テーマでしょうか?

 

吉川美代子:「女性の働き方」です。こちらも男性の経営者や若い女性社員の方向けが多いですね。男女共同参画を推進する講演会にも出させていただくことがあるのですが、そこで感じるのは“結果の平等”ばかりが取り沙汰されているということです。女性の管理職を増やそうとか、男性も育児や家事に参加しようとか・・・。お子さんの思っている良いパパは、家事を手伝っているパパというのが多くてびっくりしてしまいます。

 

吉川美代子──「結果」以上に、重要なものがあるということですね。

 

吉川美代子:私がお伝えしているのは“機会の平等”を与えて欲しいということです。現代で出世したり、取り上げられたりしている女性はスーパーウーマンばかりでしょう。優秀な女性はたくさんいるのですから、機会の平等さえ与えてもらえれば、結果はおのずとついてきます。管理職を経験した私の会社員時代も、男性はどんな人でも出世できるのに、女性はスーパーウーマンしか出世できないと感じていました。そこを経営者の皆さんには見直して欲しいな、“機会の平等”をぜひ、というお話をしています。

 

──若い女性の方にはどんなメッセージを伝えているのですか?

 

吉川美代子:“機会の平等”と言いましたが、生き方はいろいろでいいと思うんです。出世しなくて寿退社でも、結婚しなくても、子どもがいなくても、どの道でもいいと思います。自分の選んだ道、自分の生き方に自信を持って欲しいと伝えています。

 

吉川美代子

 

 

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